日常の些細なことがステキに感じられる。『Danchi Days』は平成レトロ感溢れるアドベンチャーだった【デジゲー博 2024】
2024年11月3日、秋葉原UDXにてインディーゲームイベント「デジゲー博 2024」が開催されました。本記事では、『Anodyne』などで知られるパブリッシャー・Analgesic Productionsが発売を予定している『Danchi Days』のプレイレポートとミニインタビューをお届けします。 【画像全8枚】
舞台は“団地”。子どもながらの感性が光るADV
本作は、日本の団地を舞台にしたアドベンチャーゲームです。団地と聞くとなんだか懐かしさを覚えますが、本作では現代らしく高齢化というテーマを扱っています。主人公のホシノは、団地が大好きな女の子。相棒の可愛いかっぱ・モロキュウと共に暮らしています。
賑やかな団地で毎年開催されていたけれど、住民の高齢化でここ数年行われていない「夏まつり」を復活させたい……!という考えのもと、100人のキャラクターを招待して大きなお祭りを開催するのが、ストーリーを通しての目標です。
基本的な流れは、団地を探索していろいろなキャラクターに話しかけること。個性豊かで面白おかしい人たちにチラシを配って、夏まつりに参加してもらいましょう。試遊版では、泥団子作りが大好きなお姉さんや竹ぼうきを掃くおじいさんなどのキャラクターを招待できました。
本作の素晴らしい点は、日常生活にあるものや起こる出来事に、独特の感性で「良さ」を見出しているところです。穴を掘ってできた水たまりで泥団子を作る、竹ぼうきを掃く音に癒やされる、トイレの配管を流れる水の音で他の住民との繋がりを感じる……そんな些細なことを、「感覚ゲーム」というミニゲームを通じて感じられます。本作をプレイすると、世界がいつもよりステキなものに見えそうです。
本作では架空のインターネットでメールのやりとりやホームページの閲覧が可能で、ゲームの進行にも絡んできます。生活の中で気になるワードを見つけたら検索してみると、ヒントが得られるかもしれません。
そしてそんなインターネット上に、大きな敵が現れます。それは、インターネットのとあるブログ。そのブログは団地のことを「ガチでお年寄りと猫しかいない」「今ではウバ捨て山ww」「廃墟まっしぐら!」などとかなり言いたい放題です。
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