核ごみ直接処分でも技術活用可能 専門家「政策転換を視野に」
日本原子力研究開発機構の幌延深地層研究センター(北海道)で開発している、原発の使用済み核燃料を再処理してできる高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分技術は、使用済み燃料を再処理せずそのまま埋める「直接処分」でも活用できることが20日、機構への取材で分かった。 同センターは国内唯一の最終処分技術の地下研究施設で、岩盤や地下水の評価や廃棄物の密閉方法を研究している。 北海道と佐賀県の計3カ所で文献調査が進む最終処分場の選定は、高レベル放射性廃棄物の処分が前提。国が使用済み燃料を全て再処理する核燃料サイクル政策を堅持しているためだが、再処理工場(青森県)は完成の見通しが立たず、政策の実現性を疑問視する声がある。専門家は処分場の選定では「直接処分に政策転換する可能性も視野に入れるべきだ」と指摘する。 幌延深地層研究センターは再処理の過程で出る廃液をガラスで固めた「ガラス固化体」の処分に必要な岩盤や地下水に関する研究と固化体を閉じ込める技術の開発を、地下350メートルの調査坑道を使って進めている。