【特集】「0円でも譲りたい」 買い手がいない“負動産” 大切な資産を“負動産”にしないために…《新潟》
■自身の経験から「困っているの力に」
柏崎市にある「SHOPナカムラ」 空き家の家財道具の処分やインターネットオークションの出品代行なども行っています。 中村さんが不動産業を始めたきっかけは自分の経験からでした。 〈SHOPナカムラ 中村美也子さん〉 「売れない、いらない不動産を持っていたんですよ。インターネットで不動産屋さんを知らべて全部電話して聞いたんですよ。ここの土地を手放したいんですけどって言って全部断られたんですよ。そんな断られることがあるんだって初めて知りまして」 不動産を手放す過程で宅地建物取引士の資格を取得。 同じように不動産を手放せずに困っている人の力になろうとこの仕事を始めました。 手間がかかる不動産の売買……。
■区画が複数にまたがる土地も
例えばこちらの住宅……登記を調べると区画は1つではなく複数にまたがっていることが分かります。 〈SHOPナカムラ 中村美也子さん〉 「10番は元は道があったんですけど、今は道ではない。8番も三角形。9番は変形地アンド農地」 このままでは売り渡せないため区画をひとつにまとめる費用や手間が発生します。 〈SHOPナカムラ 中村美也子さん〉 「地方の土地ってこんなに面倒くさいんだなって分かって、それだったら私の経験もあるし資格も取れたのでそれで不動産業を始めて一緒に課題解決とか誰かに渡すためのことをやっていきましょうと」
■マッチングするサイトも
何年間も不動産を手放せず、困っていた時に中村さんが辿り着いたサイトがあります。 それが「みんなの0円物件」 空き家や土地をタダでも譲りたい人と欲しい人をマッチングするサイトです。 これまでに1100件が掲載され、8割にあたる880件の譲渡に成功したということです。
■「壊すか譲るかしかない」
柏崎市に住む大塚高英さんも「みんなの0円物件」に掲載しているひとりです。 〈大塚高英さん〉 「4年前まで住んでたんだけど」 以前住んでいた住宅兼事業所を「みんなの0円物件」に掲載しました。 〈大塚高英さん〉 「去年いっぱいで定年になったから終活みたいなものなんだよね。子どもも継がないしここに住むつもりがないみたいだから。そういうことになれば壊すか譲るかしかないわけだから」 およそ80坪に5LDKの建物。 子どもは独立し家を引き継ぐ意思もなかったため解体も考えましたが、費用は200万円以上。 それならばタダでももらってほしいと「みんなの0円物件」に掲載したところ何人か興味を示した人がいたといいます。 〈大塚高英さん〉 「あんまり手のかからない面倒くさくない方法で譲受人が出てくれば一番いいかな」