富山に根ざす老舗菓子メーカー・日の出屋製菓 富山の農業に参入 有機JAS認定へ五箇山米プロジェクト参画〈連載7〉
同プジェクトへの参画に先立ち2010年に開始した自社農場「結いふぁーむ」での農事業にも注力していく。 同社の農事業は、参入要件が緩和された2009年改正農地法施行後、富山県内での農業参入第1号となる。 「結いふぁーむ」では、原料米を精米したときに出る米糠(ぬか)にEM菌を混ぜた「米糠ボカシ肥料」を使い約100アールの耕地で野菜づくりを行っている。 収穫された野菜は直営店などで販売されるほか、米菓の副材料への活用や素材を活かした新ジャンル菓子に加工して販売される。 田植えや芋堀りなどの体験イベントを開き顧客とのコミュニケーションの場としても活用している。 このような富山米をはじめとする富山の産物の展開先としては世界を見据える。 同社は現在、アメリカ、中国、台湾、香港、マカオ、韓国、ベトナム、シンガポール、マレーシア、ドバイとアジアを中心に海外販路を拡大している。 川合声一会長兼社長は「富山のものを加工して世界中に売っていきたい。海外の売上は23年に1億円を突破する勢いで、当面は3億円の売上を目指し新たな販路も開拓していく」と意欲をのぞかせる。(おわり)