中国株ラリーの波が停滞日本株を刺激か、資生堂など関連銘柄持ち直す
(ブルームバーグ): 3月の最高値更新後にもたつく日本株とは対照的に中国株の強さが目立ち、春先までの「日本株買い・中国株売り」の逆流現象が起きている。ただ、中国経済の回復を見込む買いが資生堂やユニ・チャーム、ファナックなど日本の関連銘柄にも入り始めており、低迷相場から抜け出す原動力になる可能性が出てきた。
MSCIチャイナ指数は1月に付けた安値から約30%反発し、特に4月中旬以降は上昇基調が強まっている。経済刺激策への期待や割安なバリュエーション、海外投資家資金の流入などが背景だ。特に直近は、中国政府が経営難の不動産開発業者から売れ残り住宅を買い取るとの観測が広がり、16日の取引で不動産株が急伸した。
中国の不動産株指数が急伸、一時13%高-政策支援への期待高まる
MSCIジャパン指数の年初来上昇率は17%とMSCIチャイナの14%を上回るが、3月後半以降は一進一退。特に米国のハイテク株調整の流れを受けた半導体関連銘柄、国内金利の上昇懸念で有利子負債の多い陸運や建設株の下げが重しとなっている。
一方、中国株高に連動し、足元で株価が上昇基調を強めているのが中国経済への業績依存度が大きい企業群だ。中国の売上高が全体のおよそ4分の1を占める化粧品メーカーの資生堂株は、コア営業利益が市場予想を上回った第1四半期(1-3月)決算の発表後に7%強上昇。同期間の東証株価指数(TOPIX)はほぼ横ばいだった。
資生堂株続伸、1-3月期コア営業利益市場予想上回り、構造改革進展
東洋証券の大塚竜太ストラテジストは「中国に関連する日本企業の株価は戻り始めている」と指摘。中国政府が現状を放置する可能性は低く、対策を講じることを考えれば、関連企業の株価は底打ち反転していくとの見方を示す。
シンガポールに拠点を置くアシンメトリック・アドバイザーズのストラテジスト、アミール・アンバーザデ氏は資生堂について、中国向け売り上げの減少は収束に向かっており、「NARS(ナーズ)のようなプレステージブランドはしっかりとプラス圏に戻っている 」と話した。