「肌が弱い人のための化粧品開発を」 弟が敏感肌で、植物パウダーを研究
「まず挑戦してみる」
柴田研究室では、週に1回、ゼミ生全員が参加する研究報告会が行われます。 「隔週で自分の発表をしなければならないので、授業や就活、アルバイトと並行して発表内容を決めたり、スライドを作成したりと準備をするのが大変でした。最初はスケジュール管理がうまくいかなくて焦ることも多かったのですが、だんだんと早めに動けるようになり、見通しをたてて効率的に行動する力がついたと感じています」 大学院1年生の冬ごろには、研究が行き詰まったこともありました。 「実験が仮説通りに進まず、柴田先生に相談に行った際、いろいろな提案をしてもらったのに『それは無理です』と返答してしまいました。先生から『思考停止している人には何も響かないので、いったんこの話は置いておこう』と言われ、自分が解決策を求めすぎて頭でっかちになっていることに気づきました」 それからは、たとえ困難なことでも「まず挑戦してみる」という気持ちを大切にするようになり、「成果を出すまで粘り強くやり遂げる力が身についた」と言います。 柴田研究室では、芋煮会やたこ焼きパーティー、クリスマスパーティー、バーベキューなど、イベントが多いのも特徴です。 「イベントを通じて、学年を問わず、研究室のメンバーとの仲が深まりました。柴田先生がだれよりもノリノリで盛り上げてくれて、おいしいものをたくさん差し入れてくれます。先生は時には厳しいアドバイスもありますが、応援しているプロ野球チームの戦績によって雰囲気が変わるなど(笑)、おちゃめな一面もある方です」 島田さんは24年度で修士課程を修了し、25年春から化粧品メーカーに就職することが決まっています。 「ゼミ活動を通して、どんな人でも安心して長く使い続けられる化粧品をつくりたいという思いが強まり、志望先の化粧品メーカーもそこを軸に決めました。高い安全性と品質、機能を備えた化粧品の開発者となれるように精進していきたいです」
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