50代、あと数年で定年「60歳以降の再就職の賃金は?」
まだまだわからないお金のこと。遺族年金と老齢年金は一緒に受け取れる?60歳以降の再就職の賃金は?これからのお金の悩みについて専門家が回答! 50代から備えておきたい「老後のお金」
Q.再就職先で賃金が下がってしまうのが不安……
A.高年齢雇用継続基本給付という補填制度があります 定年退職したあとも子会社への再就職をはじめ、働き続ける人が増えている。もっとも、給与がダウンするケースがほとんど。 「その救済策ともいえるのが、高年齢雇用継続基本給付金。失業手当を受給していない人が対象ですが、60歳以降の月額給与が60歳時点に比べて75%未満かつ36万4590円未満の場合、賃金月額の最大15%が雇用保険から補填されます」。 なお、60歳以上65歳未満の雇用保険被保険者で、60歳時点で雇用保険の被保険者だった期間が5年以上であることも、給付条件に。 「ありがたい制度ですが、残念ながら、2025年度に60歳になる人から、最大支給率が10%に引き下げられ、2030年度に60歳になる人以降は廃止の予定です」。
Q.遺族年金を受給中。自分の年金も受け取れる?
A.原則は”ひとり一年金”。得するほうを選んで すでに遺族年金を受給している場合、自分が老齢年金を受け取れる年齢になったら両方もらえるのかが気になるところ。「公的年金はひとり一年金が原則なので、どちらかを選ばないといけません。自分が受け取れる年金額を調べ、どちらか得なほうを選択しましょう」。 ただし、受給しているのが遺族厚生年金(亡くなった配偶者が会社員の場合)で、自分が受け取るのは老齢基礎年金(フリーランスなど国民年金加入者)のみの場合は、両方もらうことが可能。また、自分も会社員ではあるものの、老齢厚生年金が夫の遺族厚生年金より低い場合は、差額を上乗せして受け取れる。「遺族年金は非課税、老齢年金は課税。受給額だけでなく、税金も考慮してください」。
教えてくれた人 マネージャーナリスト、税理士 板倉 京さん いたくら みやこ●女性税理士の組織、ウーマン・タックス代表。相続や資産運用などシニア世代を中心に年間100人以上の相談を受け、メディアでも活躍するアラフィー世代。『定年前後のお金の正解』(ダイヤモンド社)ほか、著書多数。 取材・原文/村上早苗 イラスト/別府麻衣 ※エクラ2024年6月号掲載