空のF1で日本人パイロット室屋が快挙、海外大会で初V!
時速350キロを越える3次元のモータースポーツで「空のF1」とも呼ばれる「レッドブル・エアレース」の第2戦サンディエゴ大会の決勝ラウンドが16日(日本時間17日)、米国のサンディエゴで行われ、日本人としてただ一人参戦している室屋義秀(44)が優勝を果たした。室屋は昨年、日本の千葉県幕張で行われた千葉大会で悲願の初優勝を果たしており、今回は2度目の優勝となるが、海外大会での栄冠は初。第3戦は、6月3、4日に、3年連続で開催される千葉大会。ホームでの連覇に向けて弾みのつく優勝となった。 レッドブル・エアレースは、世界選りすぐりの14人のトップパイロットが、全世界8箇所を転戦して競うワールドワイドなチャンピオンシップだ。それぞれの大会は予選、決勝の2日間に分かれ、1対1の勝ち抜きトーナメント戦で行われるタイムレース。優勝は、最後に残った4機の「ファイナル4」で競われる。 室屋は、前日の予選では、予定していたフライトラインを変えて飛んだため、エアゲート上部の黄色の線よりもヘルメットが高くなるペナルティ(2 秒 )を犯して10 位と出遅れた。だが、決勝ラウンドではラインを戻して素晴らしいフライトを見せ「ファイナル4」に進出。一番手でフライトした室屋は、ここまでのタイムをさらに縮める58秒529の好タイムを叩き出して、残り3人の結果を待つ形になった。 優勝の大本命は、昨年のシリーズ総合チャンピオンのマティアス・ドルダラー(ドイツ)。室屋に続いてフライトしたドルダラーに 第3セクターまで0.239 秒先行されていたが、最後の折り返しのパイロンと言われるエアゲートに、左の翼が接触。3秒のペナルティが加算され、1分01秒648でレースを終え、続く2人のパイロットも1分を切ることができず、室屋の優勝が決定した。 2位はピーター・ポドランセック(スロベキア)で3位がミスを犯したドルダラーだった。 レース後、室屋は、流暢な英語で「ベリーハッピー!」と答えた。 「フリープラクティス(練習)は安定して飛んでいたので、ペースを崩さない様に今日も同じペースで飛んできたというのが結果的に良かったのだと思います。千葉戦までに更にもう一段、機体の改良が欲しいところですが、時間が短いので、どこまで詰められるか検討したいと思います。千葉ではもちろん勝とうと思っていますが、とは言っても年間を通して8戦の戦いですので、一年間通してどう安定して戦っていくかだと思いますので落ち着いて戦って行きたいと思います。プレッシャーも大きいですけど、落ち着いて戦って行ければと思います」