【独自取材】「岸田首相が平壌を訪問する日も来るだろう」金与正氏の談話の真の狙いを、元北朝鮮外交官に直撃!訪朝実現、そして南北軍事衝突の可能性は?「日本へのお願いの意味」「岸田政権の難局を見抜いている」
2024年2月15日、北朝鮮の金正恩総書記の妹・与正氏は、国営メディアを通じ談話を発表。「個人的な見解」と前置きしたうえで、「拉致問題を両国関係の展望の障害物として置かなければ、首相が平壌を訪問する日も来るだろう」としました。岸田首相の訪朝、そして日朝首脳会談は実現するのでしょうか。ウェークアップでは、元北朝鮮の外交官で現在は韓国の国会議員である太永浩(テ・ヨンホ)氏を取材。北朝鮮の狙いをひも解くと、岸田政権のピンチを見抜いている可能性も浮上しました。 【動画で見る】元北朝鮮外交官が語る「首相訪朝」談話の意外な裏側 金正恩総書記の妹・与正氏が岸田首相の訪朝に言及…日朝首脳会談は実現する?拉致問題の進展は?
金与正氏が語った“岸田首相が訪朝の可能性” 談話の真の狙いは…
金与正氏の談話には、どのような狙いがあるのでしょうか。元北朝鮮外交官・太永浩氏は、「個人的な見解ではなく、当然、金正恩総書記に委任されて発表した談話だ」としたうえで…。 (元北朝鮮外交官・太永浩氏/現在は韓国の国会議員) 「北朝鮮の意図としては、日朝首脳会談に関心があるということを日本に向けて繰り返し伝えたがっているように見えます。今回が初めてではありません。2023年も北朝鮮は、『日本と会わない理由はない』と言っていました。ただ、日本が拉致問題の解決を主張し続けると、北朝鮮としては会談に出てくることができません。拉致問題解決の主張のトーンを少し下げて日朝首脳会談をやろうという、日本へのお願いの意味が込められているように見えます」 ただ、北朝鮮も拉致問題を全く議論する気がないわけではないようです。 (太永浩氏) 「北朝鮮として『拉致問題は解決済み』と主張し続けながらも、首脳会談が開かれれば、いろいろな懸案が議論されることになり、拉致問題も自然と議論されることになるというような形を日本が取るべきだと、北朝鮮側は考えています。拉致問題の解決のための首脳会談となると、日本の条件を受け入れてから会談に臨む北朝鮮としては、会談の始まりから全ては拉致問題の解決というひとつの問題に帰結してしまうのです。このような北朝鮮の立場を日本側が考慮してほしい、勘案してほしいという意味が込められていると思います」
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