松坂屋名古屋店が大規模リニューアル、国内発ブランドを展開するファッションゾーンも
松坂屋名古屋店が、本館が現在の地に店舗を構えてから100年を迎える2025年に向けて、大規模リニューアル実施する。本館は3~8階(屋上を含む)、北館は地下1階と地上6階の2フロアが対象となり、2024年11月中旬から順次リニューアルオープンする。 【画像】本館4階 新設するファッションゾーンのイメージ
同リニューアルのテーマは「クリエイティビティの表現」と「地域との共創」。常に新鮮なコンテンツの充実と、独自性と居心地の良さを兼ね備えたアーティスティックな空間を提供し、次世代のマーケットニーズを捉えた“何度も訪れたくなる百貨店”を目指す。 具体的には、全館面積8万6758平方メートルにおける約2万7000平方メートルを改装し、新たに東海地区初の49ブランド、国内初の2ブランドを含めた計89ブランドを新規展開。リニューアル前から売場面積は婦人服で61%減少し、ラグジュアリーを40%、アートフロアを145%拡張する。投資額は約63億円。 本館4階には、松坂屋が運営・発信するファッションゾーンを新設し、新規導入となる国内発のデザイナーブランドやジュエリーブランドが出店。本館8階にはコンセプトを体現する場として、アートを身近に感じるオープンなギャラリー&カフェを設ける。 北館地下1階は、豊富な品揃えのお酒のショップが登場。和洋関わらず、希少性の高い銘柄を取り扱い、日本各地の地域の名産を販売する専門店も導入する。北館6階には「心と体を美の贅沢で満たす、至福体験フロア」を新設し、ラグジュアリーコスメブランドの国内初展開となるサロンを構える。各フロアのリニューアルオープン日および展開ブランドの公開は10月上旬を予定している。 フロアデザインは、空間設計・デザインパートナーに永山祐子建築設計を起用。館内には松坂屋の歴史にインスピレーションを受けたデザインを施し、未来と過去を織り交ぜたオリジナリティ溢れる空間に仕上げるという。百貨店として松坂屋が建設された明治時代の建築物の屋根や装飾品などに多く使われていた、「銅」と「真鍮」の2つの素材を、新たなデザインキャラクターとして採用。各フロアに銅と真鍮をエスカレーターを囲む楕円形のスペースに使用することで、館の縦の動線を強調し印象的な体験を生み出すほか、大津通側に銅、久屋大通側に真鍮をメイン素材として配し、エリアを分けて表現することで回遊しながらも自分の居場所を認識しやすい空間に設計する。 また、更なる飛躍に向けた環境整備として、従業員組織を今年9月に大幅に再編。顧客営業の基幹を担う外商部門と営業部門との連動性を高め、常に新鮮なコンテンツを提供するコンテンツ開発部門の機能を強化することにより、顧客とのより強固な関係性の構築と、店舗の魅力向上を実現させていくという。