加藤愛が行く!岐阜・高山市高根町の愛されフード『すな』を調査! 一年越しの"タネ"で作る不思議で万能な漬物
その町以外ではあまり知られていないけど…地元の人はみんな知っている! その町で生まれ、根づく愛されフードを加藤愛が全力で調査します。今回は、『岐阜・高山市高根町(たかねまち)』の『すな』です。 【動画はコチラ】ほぼ岐阜・高山市高根町だけ愛されフード『すな』をいただきます!【愛されフード】
『すな』を漢字で書くと? 「変な感じ」と味わう愛ちゃん
聞き込みによると、『すな』は「酸っぱい菜っぱ」という意味から名が付いたという、塩を使わずに発酵させて作る赤かぶの漬物。元々は冬の保存食で、みそ汁やそばの汁などに入れて食べるそう。 販売しているという『道の駅 飛騨たかね工房』におじゃましました。『すな』の見た目は、赤かぶの菜と実を細かく刻んだ漬物ですが、情報通り塩は使わず、乳酸菌で発酵させたもの。「さっぱり、酸っぱい。塩味を全く感じないので、変な感じがします」と愛ちゃん。漢字では『酸菜』と書く、不思議な漬物です。
発酵のもとは"タネ" 万能の秘密は"コハク酸"
『すな』は、晩秋から冬が漬け込みのシーズン。道の駅の奥にある厨房で作業が行われていました。赤かぶの収穫時期は11月頃からで、地元の生産農家から届く朝とれたてのものを使います。菜と実の部分に分けて水洗いをして細かく刻んだものを、湯がいて水気を切ってから樽で漬け込みますが、そこに入れるのは"タネ"と呼ばれるもの。タネは、前年に漬けた『すな』の一部を保存しておいたもので、これが発酵のもとになります。樽に毛布をかぶせ、一晩は温かくして発酵を進め、その後さらに1か月ほど熟成させて完成させるそう。 『すな』には"コハク酸"といううま味成分が含まれるため、他の料理と合わせることで独特の酸味がうま味となり味わい深くなるとか。道の駅でも、『すな』を出汁で煮た"すなうどん"や"すなそば"が食べられ、漬物の食感とうま味を楽しむことができます。
「本当に面白い漬物」と発酵食品の魅力を広める活動も!
道の駅で『すな』を作る坂本さん宅での最近のはやりは、"すな入りのポテトサラダ"。愛ちゃんがいただくと「合いますね!おいしい! 甘さやコクが感じられます」と絶賛。「どんな調理をしても酸味がうま味として味が出てくるので、本当に面白い漬物」と坂本さんは言います。 海がなく塩がとれなかった山里の、先人たちの知恵で生まれた『すな』。しかし、各家で作る人も減り、いまや深刻な後継者不足となっています。生まれも育ちも高根町の坂本さんは、『すな』の発酵食品としての価値に注目し、地元の郷土食を知ってもらい、残していきたいと活動を開始。4年前には岐阜県の食品科学研究所で各家庭の"タネ"を分析してもらい、誰でも簡単に『すな』が作れるように開発を依頼。地域の人たちと一緒に会社を起こし、家庭の味『すな』を商品化することで、継承していく道筋を作っています。「すなは飛騨にとっても貴重な食材なので、魅力を分かってもらえるようなPRをしていきたい」と、自慢の発酵食を広める活動に余念がありません。 (CBCテレビ「チャント!」12月13日(金)放送より)
CBCテレビ