「苦情で公園廃止」〝炎上〟した長野市が手順明文化、広報見直しへ 市長「教訓生かす」
外部委員は報告書で、苦情が廃止の原因と捉える見方については「苦情を理由に廃止したという記録が見いだされない」と指摘した上で、「事実に即した見方と言えるのかについては疑いがある」とした。
ただ、今回の対応の課題として、市が公園の適地判断や住民説明をしていなかった▽利用トラブルに対して関係課と近隣施設で連携がとれていなかった▽公園廃止の費用から庁内規定に基づき課長決裁案件になると機械的に決めていた▽苦情について個人が詮索される情報を出した-などを挙げた。
■課題に3つの方向性
庁内検討委員会は11月18日、課題解決のために「庁内ルールや手順の明文化と市民との共有」「庁内情報共有と情報発信」「地域や関係機関との連携と合意形成」という3つの方向性を提示。具体的な対策として、市民への説明手順の作成と広報活動の見直し、個人情報の取り扱いにかかる留意点の順守などを挙げた。
荻原市長は11月20日の定例会見で「私自身はもちろん、全庁挙げて、一市民としての感覚をしっかり持ちながら、行政マンとしての役割を全うできるように、職員に呼びかけていきたい」と述べた。
青木島遊園地のような公園は全国各地にあり、長野市内だけでも500を超える。いずれも地元に委ねている部分は多く、市民の自主性の尊重と行政の適切な関与のバランスは難しい。長野市の改善に向けた取り組みは始まったばかりだ。(石毛紀行)