全長25mの巨大なダブル連結トラックを免許さえあれば誰でもOKの太っ腹試乗! 物流問題の解決に期待しかない!!
「意外と内輪差が少なかった」という声も
2024年10月29日にAUTO MESSE REALとのコラボで開催された「ジャパントラックショー in Fujispeedway 2024」。富士の本コースを大型トラックが車列を組んで駆け抜けるパレードランが午前・午後に分けて行なわれ、また三菱ふそうスーパーグレートの本コースを使った試乗会も開催。メイン会場のAパドックでは多種多彩なトラックが並び、パーツメーカーなどのブースが軒を連ねるなど、大いなるにぎわいを見せていた。 【画像】ショートサーキットを使用した「ダブル連結トラック」の試乗会のそのほかの画像を見る そのメイン会場から少し離れたショートサーキットでは、トラックやトレーラーの大手架装メーカー「日本トレクス」による「ダブル連結トラック」の試乗会が催されていた。ダブル連結トラックとは、大型トラックの後ろにほぼ同じ大きさのトレーラーを連結することにより、1台でトラック2台分の貨物を運ぶことを可能にした、トラックの列車のような車両のこと。近年の物流業界の人手不足を打開する手段、ひいては2024年問題を打開する切り札として、2019年より国主導で導入が進められている新しい輸送手段のひとつだ。 このダブル連結トラックの導入前にも、「フルトレーラー」と呼ばれる大型トラックが、東名高速や新東名など主要高速道路をメインに走っていた。それはけん引されるトレーラーの全長が21m以内のもので、このたび導入が進められているダブル連結トラックは、トレーラーも大型トラックのボディ(荷台)と同じ25mまでの大きさとなっている。これにより、トラック1台(1両)あたり、ドライバーひとりあたりの輸送能力が倍となり、かつけん引するトラックが1台となることでおよそ4割のCO2削減効果もあるという。 また、連結していたトレーラーを中継地点で切り離し、そこから別々に運行したり、中継地点でドライバーを交代することで労働環境も改善。さらに、複数の事業者がトラックとトレーラーを効率的に使い、共同運送を行なうなど、さらなる流通環境の改善に寄与する効果も期待されているのだ。 ジャパントラックショーで開催されたこのダブル連結トラックの試乗会では、全長920m、コース幅12mのショートサーキットを使い、来場者たちにその車両感覚や運転感覚を体感してもらう、体験型のデモンストレーションが行なわれていた。クローズドのサーキットを貸し切りで走行できるため、参加資格は大型免許を取得していれば誰でもOK。また、ドライバーだけでなく家族も同乗できることもあり、多くの参加者たちが試乗会場まで足を運び、ダブル連結トラックを体感していた。 試乗を終えた参加者からは、運転席からトレーラーまでの長さに感嘆する声のほか、「思っていたよりコーナーを曲がるときの内輪差が少なかった」といった声を聞くことができた。また、普段セミトレーラーで仕事をしている参加者が多かったこともあってか、試乗中の走行もじつにスムースに感じられた。 日本トレクスではこのダブル連結トラックの車輌を製造・販売するほか、ダブル連結トラックの運転に必要な修了証を取得できるドライビングスクールも開設している。
トラック魂編集部 竹野由志雄