6月東京都区部消費者物価はやや上振れ:円安阻止に重きを置いた当面の金融政策
円安阻止に重きを置いた当面の金融政策
足もとでなお続く国内消費の弱さに加えて、このような物価の動向は、日本銀行に追加利上げを慎重にさせる要因となるだろう。そもそも、現時点では、日本銀行は為替動向に重きを置いた金融政策を行っているとみられる。 この先、円安がさらに進めば、円安を食い止めることも狙って、7月には国債買い入れ減額と同時に、日本銀行が追加利上げを実施するとの観測が強まる可能性がある。他方、日本銀行は政策を小出しにすることで、円安のけん制効果を持続させようと狙っている可能性も考えられる。この場合には、7月には国債買い入れ減額のみを決定し、そのうえで9月以降の追加利上げを示唆することも考えられる。 現状では後者の可能性の方を高く見て、追加利上げは最短で9月と考えておきたい。物価高で個人消費が弱い中、政府が国民に不人気な利上げを望んでいないことも、日本銀行の追加利上げを当面制約することが考えられる。 木内登英(野村総合研究所 エグゼクティブ・エコノミスト) --- この記事は、NRIウェブサイトの【木内登英のGlobal Economy & Policy Insight】(https://www.nri.com/jp/knowledge/blog)に掲載されたものです。
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