「新型センチュリー」と「セダン型センチュリー」の顔面を融合! しかもベースはセルシオなその名も「セルチュリー」爆誕【TAS2024】
セダンタイプのマスクに新型グリルをバンパーごと移植
「新型のヘッドライトは6センチくらいワイドになるんですよ。それを入れるのはさすがに厳しいし、フロントバンパーもタテ幅がデカすぎるのでそのままでは使えない。そこでフロントグリルとフロントバンパーの一部だけを移植することにしたんです」と水野さん。 そう聞くと簡単そうに思えるが、実際はそんなに甘くない。まず新型のフロントグリルは、セダンタイプと比べてヨコ幅がやや短く、タテ幅は長い。そこでセダンタイプのフロントグリルをまわりのバンパーごと大きめにくり抜き、そこに同じく新型のバンパーごとくり抜いたフロントグリルを移植するという方法を採った。 「ボンネットからグリルの脇に降りてくるプレスラインの角度や、そのエッジ感がセダンタイプと新型では違うんです。ボンネット自体はセダンタイプのままなので、不自然にならないようパテ成型で辻褄を合わせています」。 新型センチュリーのフロントグリルは、表側と裏側の2ピースに分かれており、その間にフロントバンパーを挟み込む構造。よってエンジンルームのスペースが厳しくなるが、エアクリーナーを小型化したり、バッテリーを移設するなどして対応。もちろんボンネットも普通に開閉できるように作り込んだ。見た目だけのハリボテにはしないのが、水野さんのカスタムのこだわりだという。 なお、フロントグリル&フロントバンパーは純正パーツを扱う業者に発注。前回、セダンタイプの純正パーツを購入する際は一度断られ、それでもショーに出すからと頼み込んでようやく手に入れられたが、今回はわりとすんなり買えたそう。「ただ、グリルの下に付いているカメラだけは納期未定ということで、仕方なくレクサスLS用で代用しました。いずれ本物に付け替えたいですね」。 ホイールについても聞いてみると、これはGZG50センチュリーの純正ホイールを加工したものだという。もともとは1ピースホイールだったが、ディスク部分だけを切り取り、それをリバレル(従来品ではないリムに組み換えるホイールカスタムのこと)用のアウターリム&インナーリムと合体させたワンオフ品だ。サイズは19インチで、フロント9.5J/リヤ12J。そのディープリムっぷりもさることながら、ここまでやってしまう情熱が何よりスゴイ。 「旋盤加工の業者に一からデータを起こしてもらい、実用に耐える強度計算のもとに製作しました。あくまでショー用なので公道は走行不可ですけどね。このホイールを履かせてから、セルシオやシーマの純正ホイールで同じように作って欲しいと、うちの店にオーダーが入るようになりました(笑)」。 目の肥えたカスタムカーファンが多いオートサロン会場でも、この「最新型セルチュリー」は注目の的。思わず「おっ!?」という感じで足を止め、マジマジとフロントマスクを観察。そしてリヤに回って驚いたり、しゃがんでホイールを覗き込んだりと、さまざまな反応が見られた。 「ほかにも今回は、トランクルームにオーディオシステムを組んできました。新型センチュリー顔面が一番のウリですが、オーバーフェンダーやツライチ、インテリアの張り替えなども見てもらえると嬉しいです」。
佐藤知範
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