インスタで見た「10円玉をきれいにする方法」を試したところ、友人に「硬貨に手を加えるのは違法」と言われました。きれいに磨く程度でもダメなのでしょうか…?
磨きすぎには注意
ただし、目的がきれいにすることとはいえ、やりすぎは注意が必要です。あまりに錆がひどいと強い薬品で錆を落としたくなるかもしれませんが、薬品によっては汚れだけでなく硬貨自体も溶かしてしまう可能性があります。また頑固な汚れを落とそうとヤスリなどを使った場合、硬貨そのものを削ってしまうこともあるでしょう。 これまで解説した通り、行為の目的が「きれいにすること」であれば、ただちに法令違反とは言いがたいですが、硬貨の形が変わるほどの行為は通貨の流通上、問題を引き起こす可能性があります。
お札にも手を加えたら犯罪になるの?
硬貨に悪意を持って手を加えると法令違反となりますが、紙幣の場合はどうでしょうか。実は貨幣損傷等取締法は硬貨のみに関する規定で、紙幣に関する記述はありません。もちろん偽札作りは刑法148条違法ですが、貨幣損傷等取締法のように手を加えるだけでは法律違反とはなりません。 つまり、故意に紙幣を破ったり落書きをしたり、燃やしたりしても、これらを罪に問う法律はないということになります。 ただし、国立印刷局では、傷みの激しいものや、書込みや印字がされている紙幣は「偽札かどうかの見分けがつきにくくなり」「ATMや自動販売機で使えなかったりするなどのトラブルのもとになります」とし、「大切に使ってください」としています。
硬貨は磨いても大丈夫! しかしほどほどに
硬貨を偽造したり、鋳つぶしたりすることは法令違反となり、場合によっては刑事罰が科せられます。ただし、硬貨の汚れを落としてきれいにする程度であれば、硬貨そのものに損傷を与えるわけではないので、ただちに法令違反となることはないでしょう。 しかし、やりすぎると硬貨そのものの変形につながる可能性もあるので、常識の範囲内で行うようにしましょう。 出典 e-Gov法令検索 刑法 e-Gov法令検索 貨幣損傷等取締法 執筆者:渡辺あい ファイナンシャルプランナー2級
ファイナンシャルフィールド編集部