トムソン・ロイターが法務特化型生成AIツールをローンチ、法律業務における生成AI活用の本格化
続々と登場するリーガルテック
CoCounselの他にも市場には、AIを活用したリーガルテックがある。 法律事務所Dechertが開発した生成AIツールDechertMindや、業務である契約書の下書きなどの文書の自動化をWordを使用せずに遂行するAvvoka、判例管理ツールのClio、MyCase、ProLawなどが代表として挙げられる。 また2023年に発表されたLexisNexisの提供するLexis+は日本語での対応も可能で、検索機能、分析機能、解説機能を備えた包括的なリサーチプラットフォーム(ただし情報は米国法が中心)だ。
CoCounselのライバルも
CoCounselのライバルとなりそうなのがAIスタートアップのHarvey AIだ。 ロンドンが拠点の世界最大の法律事務所の一つ、Allen&Overyが2022年に先行アクセスし、テストした上で3カ月後にはパートナーシップを決定。資金の調達も順調で、Allen&Overyの他にも有名法律事務所が公式に戦略的パートナーシップを発表するなど、すでに高評価の様相だ。 Harvey AIは、法的文書の分析、訴訟のサポート、法規制の順守などをサポートするとしている。一般的な法的データや、利用者が学習させた記録を基に法的文書をAIがレビューし、対処すべきポイントを人間の代わりに迅速にあぶり出すことで、作業量を大幅に減らしてくれる。 また、過去の判例や訴訟ケースのデータから抽出した先例情報を提供し、弁護士をサポート。訴訟のリスクを予見し、より確実な判断ができるようになり、勝訴へとつながりやすいとしている。 さらに、非常に複雑で変更が多発する規制に関しても、Harvey AIに文書を読み込ませることで専門用語を解読。法律事務所は、コンプライス違反や罰金、評判へのダメージを避けられるとしている。 またPwCは4大会計事務所のうちHarvey AIを利用できるライセンスを取得し、同社のAIモデルを学習させることでクライアント向けの商品を開発している。