週末スキー「ゲレンデチャンス」に直結! 「冬の天気図」見極めに使う「2つの型」【関東甲信越】
待ちに待ったウィンターシーズン。2024年11月19日の気象庁の発表によると、向こう3か月は、北・東・西日本日本海側では冬型の気圧配置が強まる時期があり、降雪量は平年並みか、多い見込みとなっている。 ■【画像】注目すべきはこんな等圧線! 実際の天気図で解説 東太平洋赤道域の海面水温が低下し、東南アジア周辺で積乱雲の活動が活発になる「ラニーニャ現象」が発生する可能性も。ラニーニャ現象が発生すると大陸から冷たい空気が流れ込みやすく、西高東低の気圧配置が強まりやすい。昨シーズンより降雪が期待できそうだ。 この記事では、気象予報士の資格を持つ筆者が、雪が降る天気図の特徴や、甲信越地方のスキー場が好条件となる天気、ゲレンデチャンスを探るために天気予報で注目するポイントを紹介する。ぜひ今シーズンの参考にしていただきたい。
■山地で雪が降る天気図の特徴
日本付近の等圧線の間隔がせまく、等圧線がまっすぐにのびる、縦縞模様の西高東低の冬型の気圧配置の時は、山地で雪が降ることが多い。大陸側の高気圧から日本側の低気圧に向かって空気の流れが起こるため、大陸から流れてくる冷たい空気が、日本海上でたっぷり水蒸気を溜め込み、中部山岳にぶつかって雪を降らせるのだ。 なお、こういった冬型の気圧配置は、山にたくさん雪を降らせることから「山雪型」と言われる。一例を挙げると、山雪型の冬型気圧配置となった2022年12月24日には、長野県白馬で最深積雪42cmを記録した。
■平地で雪が降る天気図の特徴
一方、冬型の気圧配置が強くなくても、大雪となる天気図もある。特徴は日本海付近から朝鮮半島にかけてたわむ等圧線だ。先ほどの山雪型に比べ、西高東低の冬型の気圧配置は強くないが、この場合は日本海上に強い寒気がたまっている。 等圧線がたわんでいるところは周囲よりも気圧が低く、この付近で雪雲が発達。このようなときは、雪雲は山にぶつかる前に、我慢しきれず途中の日本海側の平地で雪を降らせる。「里雪型」と呼ばれる気圧配置だ。
■甲信越のスキー場に行くときにおすすめの天気のパターン
もちろん、山に雪を降らせる山雪型の気圧配置に注目なのだが、等圧線が混んでる時は要注意。気圧の差が激しく、かなり風が強くなる恐れがあるのだ。週の半ばで山雪型の冬型の気圧配置となり、週末にかけてその気圧配置が緩んで晴れたら最高だ。 逆に週末に強い冬型の気圧配置が発生する場合は、大雪による視界不良や強風が考えられるため、道中の交通状況はもちろん、スキー場でも急激な天候の変化に注意が必要となる。 また里雪型でも寒気が非常に強い場合は、風上の山地を超えて内陸でも大雪になることがあるので気をつけてほしい。
■天気予報を見聞きする際のポイント
「いろいろ言われても同じ天気図にしか見えない!」という人は、ぜひテレビやラジオで気象予報士が冬型の気圧配置を説明している時の、言い回しに注目してみてほしい。 「強い冬型の気圧配置」といったら山雪型、「まとまった帯状の雪雲」という単語が出てきたら、里雪型の気圧配置になっていることが多い。 雪が降る目安は「上空1,500m付近の気温がマイナス6℃以下」。天気図だけでなく、上空の気温がどれくらいになっているかを気にしてみるのもおもしろいかもしれない。 今シーズンは天気図や天気予報に注目して、コンディションを予測してスキー場を訪れてみてほしい。
しらた まち