北朝鮮、ウクライナで使われるミサイルの製造工場を拡張か 米シンクタンク
(CNN) 北朝鮮がミサイルを製造する兵器工場を拡張していることが分かった。米国のシンクタンクが行った調査により明らかになった。この工場ではロシアがウクライナに対して使用しているミサイルを製造している。 【画像】拡張されたとみられるミサイルの組み立て施設の衛星画 ジェームズ・マーティン不拡散研究センターの研究者によると、この施設ではミサイル「KN23(火星11A)」と「KN24(火星11B)」を生産している。 北朝鮮第2の都市、咸興(ハムン)市にあるこの工場は、金正恩(キムジョンウン)総書記が訪問を重ねている。北朝鮮の国営メディアはこれまで、この工場で戦術ミサイルが量産されていると伝えてきた。 ウクライナでは最近、ロシアによる弾道ミサイル攻撃が急増している。ウクライナ軍当局者によると、その約3分の1に北朝鮮製のミサイルが使用されていたという。 西側と韓国の当局者は、ロシアと北朝鮮について、今年、「包括的戦略パートナーシップ条約」を結び、ウクライナとの戦闘に北朝鮮兵を派遣するなど冷戦以降で最も強固な軍事的関係を構築していると指摘する。 新たな衛星画像によると、北朝鮮は現在、同施設を拡張し、ミサイルの最終組み立て用とみられる2棟目の建物のほか、作業員用の住宅を増築している。 ジェームズ・マーティン不拡散研究センターの研究員サム・レア氏は、北朝鮮当局が「2月11日工場」と呼ぶこの施設では、ここ数年だけでも大幅な拡張が確認されていると述べた。この工場の規模は2020年から拡大し始め、それ以来、老朽化した建物の補修や屋根の交換といった定期的な改修が行われてきたという。 一方でミサイル組み立てを目的としていると思われる今回の新しい建物は、「生産ラインの一部を改善するだけでなく、むしろ拡大しようとしている」ことを示している。 レア氏が、プラネット・ラボが10月に撮影した衛星画像を分析したところ、北朝鮮はさらに施設の労働力の規模も拡大しているとみられる。