「デロリアン」を本当にゴミで走らせた! 未来を実現した人はどんな人?
世界にゴミは存在しない
リサイクルの仕組みづくりから取り組んだことは、ビジネス的に遠回りであるようにも思えるが、予想に反して、創業から一度も赤字になったことはないのだという。 むしろ、仕組みづくりに力を入れたことが今日を支えている。岩元氏は、「感覚的には、グーグルやアップルと同じです。例えば、衣服の回収箱を販売するなど、この仕組みの上でいろいろと必要なサービスが発生します。プラットフォームがあるからこそ、収益モデルを作れるのです」と説明する。 次に目指すのは、衣類だけではなく各種有機物を含んだリサイクル。高尾氏によると、「太陽光や風力といった再生可能エネルギーを用いて、ゴミを高温加熱することで石油を取り出す技術」の研究開発を国内外のメンバーで進めており、2020年ごろをめどに実現させる見込みだという。 「世界にゴミは存在しません。原子・分子レベルで考えると、ゴミではなく何か別のものに変わっただけなんです」(岩元氏)。 『世界にゴミは存在しない』 ── すごい言葉だ。その原点には、30年前に入った映画館で感じた驚きと、近未来の社会へのあこがれがある。 (取材・文:具志堅浩二)