“鍵開け”レスキュー商法で……「980円が10万円に」高額請求の実態 ネット検索上位に“広告”表示【#みんなのギモン】
■「2万円以内で収まる」…提示金額は
山口さん 「(器具を差し込む)作業が終わった後、やっぱり無理でしたという感じで。『ドアノブ(の鍵穴を)切る必要がありますね』と。ぼったくりかどうか不安になりだして…」 ただ、その時点で午前2時。山口さんは「作業費全部含めて合計2万円以内で収まりますかという質問にも、『2万円以内で収まります』と(答えました)」と言います。午前3時頃、作業は終了しました。 山口さん 「全部の作業が終わった後に、『あなたの家の鍵は特殊な鍵でした。開けてみないとわからなかったのです』と言われて。『すみません10万円で』と」 「やられたと思ったんですけど、夜中の3時に男性2人で、この2人に言い返せないと思って、泣く泣くクレジットカードで支払いました。家に入れた安堵(あんど)感もありましたし、早く終わらせたいという気持ちもあって、泣く泣くです」 払わざるを得ない状況に追い込まれたといいます。
■警察が介入も…実費で4万円支払い
同じA社に鍵開けを依頼した関西在住の北原さん(仮名)は、「電話した時には8000円でいけると言われたのに、13万2000円。びっくりです。本当に悪徳ですね」と憤ります。 この時、北原さんは警察を呼んで介入してもらいましたが、新しい鍵に付け替えていたこともあり、実費4万円を支払ったといいます。
■6人に取材…共通するパターンは?
私たちは同じA社に高額請求された6人から話を聞くことができました。神奈川県に住む男性は、12万1550円を請求されたといいます。 共通点は関東と関西に集中していること。そして、深夜に帰宅して鍵がないことに気づき、スマートフォンから業者のホームページをリサーチ。安い金額を提示されたため契約するパターンです。 A社のホームページには「980円~」と書かれています。ホームページを見る限り、980円から鍵を開けてくれるかのように見てとれます。他の鍵開け業者とも比較し、安い金額をうたっていました。
■相談件数「半年で昨年度を上回る」
業者とのトラブルについて情報提供を受けたり、解決のための助言や相談を行ったりしている東京都消費生活総合センター。寄せられた鍵開けトラブルの相談件数は、昨年度に225件でしたが、今年度は4月からの半年間だけで242件(9月末時点の速報値)に達しています。 インターネットで安い金額の業者が出ると、相談が増えるといいます。取材した日も、A社とみられる業者に鍵開けを依頼した人からの相談が入っていました。 電話を受けた相談員は「賃貸マンションで鍵なくした。入れなくなってしまった。980円で電話したが、全然違う金額」と、内容を確認してメモを取っていました。 東京都消費生活総合センター 髙村淳子相談課長 「何が悪質かというと、980円とか1000円とか安い金額をどういう意味で打ち出してるのか、こういう鍵だったら+3万円かかりますとか、+5万円かかりますと(HP上に)書いてない」 「消費者にとってみれば、開けてもらう代金として1000円払えばいいと思って電話をしてしまう。そう思わせてしまうところは悪質だと思います」