【巨人】ソフトバンク・石川柊太の調査へ 20年最多勝&最高勝率 国内FA権行使もCランクで補償なし
巨人が、国内FA権を行使するソフトバンク・石川柊太投手(32)の調査に乗り出すことが13日、分かった。今後、本格的に獲得へ動くかどうかを含め、慎重に検討していく。 石川は13年育成ドラフト1位でソフトバンクに入団。16年に支配下選手登録されると、18年にはキャリアハイの13勝(6敗)をマーク。20年には11勝(3敗)で最多勝と最高勝率(7割8分6厘)の2冠に輝き、21年には初の開幕投手を務めた。今季はチーム事情によりリリーフに回る時期もあったが、後半戦は先発ローテに定着。登板は15試合も、7勝2敗、防御率2・56の成績を残した。 右腕は8日に今季取得した国内FA権の申請書類を提出。「自分が野球界でどう評価されているのか。選択肢が広がるところに価値がある」と話していた。すでにオリックスやヤクルトなども調査に乗り出しており、争奪戦になることが予想される。 巨人は年俸Aランクとみられる阪神・大山、同Bランクとみられるソフトバンク・甲斐の獲得を目指す方向。FA権を行使した選手との契約は2人までだが、人的、金銭ともに補償不要のCランクは何人でも可能。石川はCランクとみられ、3人目の契約も可能となる。 巨人は今季15勝を挙げた菅野が、海外FA権を行使。メジャー挑戦を目指しており、来季はその穴を埋めることが必須となる。今回のドラフトでは内野手を優先したため、即戦力投手はドラフト5位左腕の宮原(東海大静岡キャンパス)のみ。井上や西舘ら楽しみな若手が育っているとはいえ、プロ通算56勝右腕の実力は魅力となる。今後、他球団の状況やチーム編成なども見極めながら、調査を進めていく。 ◆石川 柊太(いしかわ・しゅうた)1991年12月27日、東京都出身。32歳。総合工科から創価大を経て13年育成ドラフト1位でソフトバンク入団。16年に支配下登録。20年に11勝3敗で最多勝と最高勝率(7割8分6厘)。23年8月18日の西武戦(ペイペイD)でノーヒットノーランを達成。球界屈指の「ももいろクローバーZ」ファンとして知られていたが、23年1月に元SKE48の大場美奈さんと結婚。年俸1億2000万円。185センチ、88キロ。右投右打。 ◆フリーエージェント(FA)制度 条件を満たせば、いずれの球団とも契約を締結できる権利。145日以上出場選手登録されたシーズンを1シーズンとして計算し、合計8シーズン(07年以降のドラフトで入団した大学生・社会人選手は7シーズン)に達した時に国内FA権資格を、合計9シーズンに達した時に海外FA権資格をそれぞれ取得する。出場選手登録日数が145日に満たないシーズンがある場合は、それらのシーズンの出場選手登録日数をすべて合算し、145日に達したものを1シーズンとして計算する。権利を行使する場合、日本シリーズの終了翌日から7営業日以内に権利を行使する意思を所属球団に通知する。上記期間後にコミッショナーからFA宣言選手として公示され、その翌日から旧球団に加え他球団とも契約交渉が可能になる。今年は申請期間が13日で終了。14日にFA宣言選手として公示され、15日から全ての球団との交渉が可能となる。
報知新聞社