「オクラ」脚本家・武藤将吾が“令和の刑事ドラマ”で感じた世代間ギャップとは?
フジテレビ系では、反町隆史&杉野遥亮がダブル主演を務めるドラマ「オクラ~迷宮入り事件捜査~」(火曜午後9:00)を放送中。人情深い昭和刑事・飛鷹千寿(反町)とクールな令和刑事・不破利己(杉野)のバディが、迷宮入り寸前の実質“オクラ(お蔵入り)”状態な事件に挑むヒューマンミステリーエンターテインメントだ。 今作は「電車男」(フジテレビ系/2005年)、「3年A組―今から皆さんは、人質です―」(日本テレビ系/19年)などのヒット作を手掛けた脚本家・武藤将吾氏による完全オリジナルストーリー。1話から怒とうの展開を繰り広げ、SNSでも「とんでもないラストだった!」などと大きな反響を呼んでいる。 今回、脚本を務める武藤氏と足立遼太朗プロデューサーが囲み取材に応じ、制作過程の裏話や今後の見どころなどを語った。
──まずは、制作に至るまでの経緯についてお聞かせください。 足立 「『電車男』でプロデューサーを務めた、ドラマ・映画制作局映画制作センター室長・若松(央樹)とのつながりをきっかけに、武藤さんとの仕事が実現しました。僕は昔から、映画『クローズZERO』シリーズや『花ざかりの君たちへ~イケメン♂パラダイス』『ジョーカー 許されざる捜査官』(共にフジテレビ系)など、武藤さんの作品が大好きだったので、一緒に作品を作ることができるのは光栄でしたし、今回は完全オリジナル作品なので、企画段階からディスカッションして制作に臨みました」 武藤 「僕は連続ドラマの脚本を書き始めてから20年ほどたつので、足立さんのように若いプロデューサーと組むことで、新しい引き出しみたいなものが出せるきっかけになるんじゃないかなと。若い方たちのエネルギーに触れることで、自分の脚本に新たな風を吹き込んでくれるのではないかと期待もできましたし、長丁場の連続ドラマで頼りにできるプロデューサーだと感じています」 ──昭和と令和の刑事という凸凹バディと未解決事件という題材について、どのようなところから着想を得たのでしょうか? 武藤 「当初は、昭和と令和の刑事という師弟関係を軸にしたドラマを構想していました。でも、当時ちょうど『不適切にもほどがある!』(TBS系/24年)などで世代間のギャップみたいなものが注目されていたので、別の角度から物語を展開したいなと。そこで、“未解決事件はなぜ未解決なのか”というところに着目しました。事件当時も一生懸命捜査をしていたのに、たった一つの証拠がきっかけで解決するほど、未解決事件は甘いものではないのではないかと思っていたので、誰かが意図的に事件の真相に迫ろうとすることで真実が明らかになり、物語が動き出す…という展開を軸に構築しました。あとは、反町さんのダークヒーローものを見たいという思いと、杉野くんのミステリアスでクールな雰囲気を生かすことで、面白いバディが生まれるじゃないかと思ったんです」