“寄せ集め集団”MISCH-MASCH、設立1年で卓球クラブ日本一 チーム結成の裏には堀本真之介監督の熱い思い
代表としてスポンサーも獲得
――堀本さんはもちろん選手としてもプレーされていますが、代表や監督としてはどういう役割なんでしょうか? 堀本真之介:うちのチームの練習は各自の自主性に任せているので、試合1か月前くらいに何回か集まって練習するくらいなのですが、みんなの練習日程を調整するのも監督の仕事です。 加えて、試合の申し込みやスカウト業務、スポンサー営業もしています。 ――スポンサー営業もされているんですね。 堀本真之介:はい、今年度は『炭火焼肉王国屋』さんがスポンサーをしてくださいました。 元々知り合いだった方がお店を開かれるということで応援していたのですが、逆にスポンサーとして応援してもらう側になりました(笑)。 『炭火焼肉王国屋』さんで決起集会を開催させてもらい、お互いの信頼関係も深まってチーム力が上がったんじゃないかと思っています。 堀本真之介:また、スポンサーしていただいたことで、オリジナルユニフォームをチームで揃えることもできました。本当に感謝ですね。
「卓球を続けてほしい」 堀本監督の熱い思い
――チームを設立するにあたって、何か意識していたことはありますか? 堀本真之介:これはチームメンバーには直接言ったことがなくて、ここで初出し情報なんですけど、ある思いがありました。 堀本真之介:卓球が強い人は、大学までバリバリ活躍していても、卒業後に一般企業へ就職するとなぜかあっさり卓球を辞めちゃう人が多いなと感じていました。 せっかく幼い頃からやってきて大好きな卓球なのに、辞めてしまうのは悲しいなと昔から思っていました。 ――わかります。そういう強い人こそ趣味でもいいので続けてほしいですよね。 堀本真之介:どんな形であれ卓球を続けてほしいなと思って、自分でチームを設立しました。 大阪には強いのに卓球辞めている人たちがたくさんいることを知っていたので、最初は無理やりでも誘ってチームに入れて卓球をさせて、楽しませたらまた卓球を続けてくれるんじゃないかと思って。 せっかくこれまで卓球をやりこんできたんだから、やめてほしくないなと。 それがMISCH-MASCH設立の本当のきっかけですね。 ――実際にそういうメンバーが集まって、社会人として働きながらも趣味で卓球を続けて日本一。 卓球の良いところや堀本さんの思いが詰まった今回の優勝でしたね。 堀本真之介:女子のメンバーも保育士、事務員、営業、卓球コーチなど様々な働き方をしながら、卓球を続けてくれています。 みんなには話してなかったんですけど、そういう思いがあったので、優勝したときはめっちゃ泣きそうでした(笑)。 選手たちは「ナイス~!」「やったね~!」って感じだったんですけど、僕は泣くのをこらえるので必死でした(笑)。 堀本真之介:もう1つ嬉しいことがあって、優勝したことで運営から「チームの選手1人を全日本社会人選手権に推薦できます」と言われました。 そこで、チームの中で1人だけ大阪府予選で落ちてしまった大村さんを推薦し、出場権をプレゼントしました。 大村さんはクラブ選手権の本戦では1試合しか出てないんですけど、チームのサポートもたくさんしてくれたし、クラブ選手権大阪府予選では活躍してくれたので、チームみんなで恩返しできてよかったです。本当に嬉しかったですね。 ――良いこと尽くしのクラブ選手権だったんですね! 最後に今後の展望についても教えてください。 堀本真之介:強豪校でプレーしていて「卓球はやり切った」と就職を機に辞めてしまう方が多くいますが、どんな形であれ卓球を続けていれば、僕たちみたいに日本一になれることもあります。 僕たちを見て、「社会人でも卓球を続けてみよう」と思ってもらえるようなチームでありたいですし、自分たちも今後も楽しく卓球をやり続けられたらなと思っています。
山下大志(ラリーズ編集長)