アダニ問題が印政界に波及、野党が審議求め議会空転
[シンガポール/ニューデリー 25日 ロイター] - インドの財閥アダニ・グループのゴータム・アダニ会長らが贈賄などの罪で米検察当局に起訴された問題が政治問題化する様相を呈してきた。25日のインド議会は、野党がアダニ・グループ問題の審議を求めて紛糾し流会となった。 野党はかねて、アダニ会長と同じ西部のグジャラート州出身のモディ首相がアダニを「ひいき」していると批判。米国での起訴を受け、25日の議会で取り上げる方針を示していた。 議会上院の議長であるダンカール副大統領は、議員からアダニ問題の審議を求める通知を13件受けたが、法規則にのっとっていないとして認めなかった。審議を求める議員の妨害を受け、議会は中断し、その後、流会となった。 下院も同じように混乱し流会となった。 今回の問題について、インド政府は見解を表明していない。モディ首相のインド人民党(BJP)は、アダニが問題に対処し自らを守る問題だとし、法はしかるべき判断を示すことになるとしている。 この問題を受け、銀行や規制当局はアダニ・グループ関連エクスポージャーを調査している。シンガポール金融管理局(中央銀行)は25日、同国銀行部門のエクスポージャーは全体的に小さいと表明した。大手の国際的な銀行の中には、新規融資の一時停止を検討しているところもあるという。ルクラー・アナリティクスは「米国での起訴により、短期的にグループの資金調達、特にオフショア市場へのアクセスが制約される可能性が高い」と指摘した。