高校生犠牲者、命を守る「伝言」 被災状況まとめた冊子完成、宮城
東日本大震災で死亡・行方不明となった宮城県の公立高校生の被災状況を調査し、まとめた冊子がこのほど、完成した。防災教育に役立てたいと、民間の研究機関「みやぎ教育文化研究センター」(仙台市)の高橋達郎所長(68)が作成。「3.11高校生犠牲者からの命を守る『伝言』」と名付けた。 高橋さんによると、県教育委員会に高校生の被災状況に関する資料の情報公開請求をした結果、報告書などは出てこなかったものの、公立高の死者・不明者87人が在籍していた高校名だけは分かった。 2020年から23年秋まで該当校や当時の教員、遺族から情報収集した。87人のうち、4割が自宅で被災し、3割が避難途中だったとみられると判明した。アルバイト中だった生徒もいた。 それぞれの生徒の学年、所属校、被災状況を分かった範囲で記し、学校ごとの犠牲者数は地図にまとめた。 A4判で8ページ。県内の高校に配布したほか、希望者には無料で送付する。問い合わせは同センター、メールmkbkc@forestsendai.jp