我孫子3歳児布団巻かれ死亡事件 母親に懲役6年求刑 「元夫の育児放棄が刑事責任に問われず、被告だけ刑務所に入るのは酷」弁護側は執行猶予求める 千葉地裁
我孫子市で2022年2月、長男=当時(3)=を布団に巻き放置して死亡させたとして、傷害致死の罪に問われた母親の無職の女(28)=同市=の裁判員裁判論告求刑公判が20日、千葉地裁(鎌倉正和裁判長)であり、検察側は懲役6年を求刑した。弁護側は執行猶予付き判決を求めて結審した。判決は25日。 検察側は論告で「意図して殺してはいないが、3歳の子どもに布団を何重にも巻いて声を出させなくする行為の危険性は明らか」と指摘。「(死亡した)この結果は偶然とは言えない。起こるべくして起こった。被告の極めて短絡的な選択は強い非難に値する」と主張した。 弁護側は「物事を悲観的に捉えるなどの被告の特性も影響し、精神的に追い詰められた」と説明。「被告が育児や家事をほとんど1人でしていた。元夫の悪質な育児放棄が刑事責任に問われず、被告だけが刑務所に入るのはあまりに酷だ」と被告を取り巻く家庭環境について訴えた。 被告は最終意見陳述で「(長男の)奏良の未来を奪ってしまってすごく後悔している。私は最低な母親だと思う」と述べた。その上で「父親の育児参加が常識として社会の価値観が変化していくことを望みます」と心情を吐露した。 起訴状などによると、22年2月4日午後11時10~25分ごろ、当時住んでいたアパート一室で、奏良ちゃんの頭や全身を掛け布団や敷布団で覆うように巻いて放置し、翌5日午前1時半ごろ、吐しゃ物吸引による窒息で死なせたとされる。