2学期制採用、31市町村に 茨城県内7割超 2025年度、授業にゆとり
茨城県内自治体の7割超に当たる31市町村が来年度、公立学校の教育課程に2学期制を採用することが21日、茨城新聞の調べで分かった。始業式や終業式の回数が減った分を授業に充てるなど、ゆとりある教育計画を立てられるなどが利点とされる。一方で、従来の学習リズムを維持する観点から、3学期制を継続する自治体もある。 2学期制は1年を前期と後期の二つに分け、長期的な見通しを立てて学ぶ。県内で導入する自治体の直近5年間の推移を見ると、2020年度が17、21年度が15、22年度が19、23年度が24、24年度が27と近年は増加傾向にある。 25年度は水戸市が採用するほか、現在、検討している中の3自治体が移行する見込み。 本年度から2学期制を導入した土浦市は、10月の「スポーツの日」を含む3連休を境に前期、後期とした。市教委によると、学期間が長くなったことで、ゆとりを持って学びを深めることにつながっている。従来、学校行事の予定が立てにくかった7月や12月にも校外学習などが企画できるようになった。 水戸市は来春から採用予定だ。4~10月の第2月曜日までを前期、翌日から3月31日までを後期とする。始業式と終業式の回数が減る分を授業に充てるほか、運動会など学校行事の準備期間に余裕を持たせるなどの効果を見込む。さらに、来年度から県立高でウェブ出願が採用されることを受け、直前の10月までの成績に基づき指導ができる利点もあるという。 また、2学期制を導入することにより、成績表(通知表)の作成回数が減るほか、前期の成績表は夏休み期間に行えるといったメリットもあり、教員の働き方改革にもつながると見られている。 一方で、3学期制を維持する自治体もある。 来年度も3学期制とする市教委の担当者は、「学期の区切りが多いことで児童生徒らが定期的に学習の振り返りができる」と話す。学習のモチベーションや学習リズムを維持するという観点から、3学期制の継続を決めているという。 県教育委員会によると、6月時点の調べで、県内では、3学期制としながら、通知表の配布を2回以下としている自治体もある。
茨城新聞社