血管年齢20才の“94才スーパーおばあちゃん”、気になることはチャレンジするのがモットー「88才にして洋裁を始め、今では3日で洋服作れる」
震災で被災したときに始めた「ちりめん人形」作り
気になることがあればどんどんチャレンジするのも、佐藤さんのモットーだ。東日本大震災で被災して公民館に避難していたときは「ちりめん人形を作らない?」と声をかけられ「作る!」と即答。これまでに7000体以上もの人形を製作。6年前には、88才にして、未経験から洋裁を始めた。 「地域のコミュニティーセンターで、洋服のリメイク教室が始まると聞いて、『じゃあ、やってみる!』という感じで、ミシンを買って始めました。私は人より冒険心が旺盛で、いつもそんな感じなの。生地の裁断方法も知らなかったけど、『できるか、できないか』ではなく『とりあえずやってみる』ようにしているんです。この前はコートを作りました。できた洋服を部屋に飾っておくと、遊びに来た友達が『あら、素敵ね』と言って、着てくれる。洋服はプレゼントして、お金をいただくことは絶対にしません」 いまでは3日あれば、洋服が1着作れるという佐藤さん。新しいことにチャレンジし、手先を動かすことは、認知症予防にもつながっているようだ。
高齢者ほど趣味を広げて
秋津医院院長で総合内科専門医の秋津壽男さんが語る。 「佐藤さんが作っている服はどれもセンスがある。デザインが次々と浮かぶのも、脳が健康な証です。高齢者ほど趣味を広げるべきだといわれていますが、実際に実行に移せる人は多くありません。佐藤さんのように、ためらわずに何でもチャレンジしてほしい」 取材中は笑顔を絶やさず、人への感謝の言葉しか口にしない。震災で多くの人に支えられた経験もまた、佐藤さんの「生きる原動力」になっている。 「震災直後は、たくさんの人がバスやトラックにガスや魚や肉を積んで、慰問に来てくれました。そんなかたたちの行動力を目の当たりにしたときに、年齢に関係なく、強い気持ちで行動することが大切だと学びましたね。 私はね、嫌なことがあっても、あんまり考えすぎることがないの。悩まずに邁進すると、気持ちが晴れやかになるんです」(佐藤さん) 秋津さんは「こうした苦労に負けない前向きさも、若さの理由」だと分析する。 「どんなときも常に前向きな人は、免疫力が高い。ポジティブシンキングは免疫細胞を活性化して、がん予防につながるといわれています」(秋津さん) 佐藤さんは最近、新たに「切り絵」を始めた。約1m×4mの巨大な用紙には、色とりどりの落ち葉の切り絵がちりばめられている。 「いつか作品を市役所や駅舎に飾るのが夢。いまはひとりで作っているけれど、いずれは地域の高齢者を集めて、みんなで楽しく作りたい。下手だと笑われてもいいんです。地元の人が集まって元気な姿を発信していけば、昔のように賑わった陸前高田になると思うの。多くの人に助けてもらってここまで復興したという姿を、私たちお年寄りが率先して見せることで恩返しになる。それによって、地域の若者たちも活気づいていくと思うんです」(佐藤さん) そう言って瞳をキラキラと輝かせる佐藤さんの夢は、彼女の健康寿命をますます延ばしてくれるだろう。 ※女性セブン2024年11月21日号
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