日産 ジューク 16GT FOURは、次の時代を見据えた先進的なモデルだった【10年ひと昔の新車】
マニュアルシフト的な加速感覚が味わえるステップ変速制御CVT
今回、横浜の日産本社を起点とする一般道と都市高速を組み合わせたルートで試乗したのは16GT-FOUR。その新型エンジンは、十分に素速い力強さを見せてくれた。 センターコンソールのコントロールディスプレイで設定できるドライブモードでは、ノーマル/スポーツ/エコの3種類から選択できるが、16GT-FOUR(16GTも)でスポーツモードを選択すると、加速する際にCVTがステップ変速制御となり、マニュアルシフト的な加速感覚が味わえるというのも面白い設定だ。ただしノーマルモードの走行だと、あくまでもCVTらしい味わいである。 乗り心地は、「GT」というネーミングをスポーティ的だと解釈したと思える専用設定のサスペンション、そして17インチのタイヤにより、路面の状態をかなり正直に伝えてくるものだった。ボディの細かな上下動が常にしっかりと身体に伝わってくるので、ダイレクト感がある。 都市高速に入ると、さすがにパワーの余裕度がよくわかった。ジャンクションから本線への合流や、追い越し加速時などアクセルペダルを深く踏み込むような状況では、いったんエンジン回転数が先行して高まり、そこら瞬時に強力なゴムひもでグイーンと引っ張られて行くような、まるでワープ感覚とでも呼びたくなるユニークな加速感が楽しめた。マニュアルモードのシフトダウン時に、エンジンの回転数とCVTの変速比を同期させる「シンクロレブコントロール」が搭載されているのも楽しい。 ただ4WDシステムやトルクベクトリングに関しては、好天の一般道の試乗でその効果を実感することは難しかった。 その走る楽しさは、やはりワインディング路やミニサーキットなどといったシチュエーションによく似合う気がする。ただそうなると、クロスオーバースタイルのボディでなくてもいいのでは、という気持ちも芽生えてくる。今後の展開にも期待したい。(文:Motor Magazine編集部 香高和仁/写真:永元秀和)
日産 ジューク 16GT FOUR 主要諸元
●全長×全幅×全高:4135×1765×1570mm ●ホイールベース:2530mm ●車両重量:1380kg ●エンジン:直4DOHCターボ ●排気量:1618cc ●最高出力:140kW(190ps)/5600rpm ●最大トルク:240Nm(24.5kgm)/2000-5200rpm ●トランスミッション:CVT-M6 ●駆動方式:4WD ●車両価格:245万1750円(2011年当時)
Webモーターマガジン
【関連記事】
- 「ハイパーツアラー」と「ハイパーパンク」もやっぱりポリゴン感が強烈!日産のジャパンモビリティショー出展車は、それぞれに「キャラ」がたっていた
- 日産自動車とホンダ、三菱自動車も協業!「こうご期待なユーザーベネフィット」をざっくりまとめてみた【スタッフブログ】
- 日産 ローグの2025年モデルを発表。新グレードの「ロッククリーク」を設定し、プロパイロット アシスト2.1などを採用
- 日産が新型「キックス」を北米で発表。日本デビューが楽しみだ!
- Official Staff ICEと同等のコストで新型EV開発を目指す!価値・競争力・収益性を向上させる経営計画「The Arc」を、日産が発表。新型車の姿も見えてきた