迷走する「石破外交」中国・習氏は片手なのに両手で包み込む〝媚びへつらう姿〟発信 国際会議での「引きこもり」姿勢に懸念も
石破首相は新参者の一人である。着任順で決まるプロトコル(国際儀礼)序列上は最下位に近い。名だたる先輩首脳が気を使ってくれたのに、なぜ自分だけ座ったままでいられようか?
相手が自席にまであいさつに来てくれたのなら、立ち上がって礼を尽くすのが人の道。自民党の会合でも同じだろう。
もっと気がかりなのは、マルチ(多数国間)の国際会議が始まる前に、自席でスマホをいじり書類をのぞき込むだけで、他の出席者と交わろうとしない「引きこもり」の姿勢だ。
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国際会議は、国益と国益がぶつかり合う真剣勝負。その前には、他国の出席者によしみを通じて情報・意見交換に努め、日本の立場への支持を頼んでおく、というのは基本だ。
石破首相は、防衛庁長官や防衛相時代に何度も国際会議に出ていたはずだ。「知らない」とは言わせない。
SNS上では、「なぜ外務官僚が『ご起立を』と進言しなかったのか」という過保護な指摘が散見されるが、そんな基本さえわきまえていない人物を首相に戴(いただ)いた不幸こそ嘆くべきだ。
こんな腰の引けた外交姿勢と対極のものとして不可解なのは、中国の習近平国家主席との会談の際、相手が片手しか差し出していないのに、石破首相は相手の手を包み込むように両手で握手した。
さもしいまでの醜態だ。旧知の相手との再会に感激して互いに両手を取り合うなら許せよう。だが、日本の領土を脅かし、領海・領空を侵犯し、複数の日本人を拘束し、児童を惨殺した中国の首脳だ。なぜ、地元の有権者に一票を媚びるかの如くすがりついたのか?
日本国民のみならず第三国も見ている。阿諛追従(あゆついしょう=相手に気に入られようと、媚びへつらうこと)に走った印象を決して与えてはならないのだ。
箸の使い方、握り飯のほおばり方にとどまらない、暗澹(あんたん)たる気持ちを抱いたのは私だけだろうか?
そんな「石破外交」を見て、中国は早速揺さぶりに来ている。