はて…?「ふてほど」の受賞で流行語大賞“限界説”が浮上、国民的な人気ワードがもう誕生しない理由
トップ10にある「名言が残せなかった」は、パリ2024オリンピック・パラリンピックで金メダル(陸上競技女子やり投げ)を獲得した北口榛花選手の言葉だが、これはある意味象徴的だ。オリンピックのある年には出場選手の言葉が流行語にノミネートされがちなのだが、今年はそこまで印象的な言葉がなかったように感じる(アスリートは名言を残すために競技をやっているわけではないので、それで問題はないが)。 ● 過去の「流行語大賞」を振り返る 3年連続で野球関連用語が大賞だった影響は? ここで近年の流行語大賞を振り返ってみたい。 2020年はコロナ禍ということもあり「3密」が大賞である。これは今振り返ってみてもあまり違和感はない。 その後、2021年「リアル二刀流/ショータイム」、2022年「村神様」、2023年「アレ(A.R.E)」と続く。これらはすべて、野球にちなんだ言葉である。野球は日本で国民的人気のある球技であるし、特に大谷翔平選手の活躍ぶりは野球を知らない人でも知っている。 とはいえ、3年も野球関連用語が続くと、審査員も今回は野球関連語を大賞に選ぶのは避けたいと思ったところなのではないか。「50-50」(大谷選手のシーズン50本塁打&50盗塁)が対象に選ばれなかったのは、そのあたりの事情があるように勘ぐってしまう。個人的には、かわいい「デコピン」がノミネートに選ばれてほしかった。 そして、過去の流行語大賞を眺めて、昔の流行語はパンチがあったと感じてしまうところがある。ただこれは、現代は昔と比べてエンタメや、情報の入手先が多様になったからということがあるのだろう。 過去の流行語大賞は、たとえば、「すったもんだがありました」(1994年)、「おっはー」(2000年)、「イナバウアー」(2006年)など、アラフォーの筆者が今でも言った人の顔が思い浮かぶものが多い。 2013年は豊作の年だったようで、「今でしょ!」「お・も・て・な・し」「じぇじぇじぇ」「倍返し」の4つが大賞に選ばれている。