NYの平均家賃は約80万円、シカゴの夜の街は閑散…何が好景気だ!米国在住の日本人が語る「物価高の厳しさ」
アメリカでは、連邦政府が定めた最低賃金7.25ドル(1066円)に加え、各州や都市が独自に定めた最低賃金が存在しているが、2024年1月には、50州のうち22州で最低時給が引き上げられた。 もっとも高いワシントン州が16.28ドル(2393円)で、ニューヨーク州やカリフォルニア州が16.00ドル(2352円)と続き、シカゴのあるイリノイ州は14.00ドル(2058円)となっている。 私に限っていえば、家賃と物価の目まぐるしい早さでの上昇に、賃金の上昇は完全に取り残されている。それでも、クラブ側からすれば確実に出費が増えていることになる。
家賃に加え、「人」と「物」の値段までが高騰しているのだから、当然店を経営する側も苦しい。実際、コロナ禍以降、シカゴでも多くのレストランが休業に追い込まれた。 私の家の徒歩圏内でもここ数年でイタリアン、ラーメン、フォー、ポキ、タコス、中華にタピオカ、アイスクリームの店が閉店した。そして恐ろしいことに、数年が過ぎてもそれらの店舗の跡地には「For Lease(テナント募集)」の看板が掲げられたまま、次のテナントが入らず、空き家になっている。
生き残ったレストランも営業時間の変更を余儀なくされた。スタッフを深夜まで拘束する余裕がなくなった多くの店が、ラストオーダーの時間を大幅に早めた。 その結果、現在夜の9時半を過ぎて食事のできるレストランを探すことは至難の業だ。平日の夜、10時を過ぎたシカゴの街は驚くほどに静かだ。それでも何かを食べたいとき、日本のようになんでも揃うコンビニがあればと郷愁にふける。 ■人気コンビニが突如、全店閉店 実は、数年前ついにシカゴにも便利なコンビニが登場した。「フォックストロット」と名付けられたその店は、さながらもとの言葉が指し示すダンスのスタイルのように軽やかに、そしてスピーディーに店舗の数を増やしていった。