【神宮大会】東北王者・聖光学院、守備乱れコールド負け…来春センバツで成長した姿見せる
◆第55回記念明治神宮野球大会第1日▽高校の部1回戦 聖光学院0―10東洋大姫路=5回コールド(20日・神宮) 1回戦で聖光学院(福島)が東洋大姫路(兵庫)に0―10で5回コールド負けした。今秋東北大会優勝の原動力となった守備面が乱れて大敗を喫した。この日感じた力の差を忘れずに練習を積み、出場濃厚な来春のセンバツ高校野球(3月18日から13日間、甲子園)で成長した姿を見せる。 完敗だった。打線はわずか2安打で各回3人で終わり、守っては10安打10失点。「相手は力のあるチームだし、こういう試合もあり得ると想定はしていたけど…」と振り返った聖光学院・斎藤智也監督(61)だったが、「自分たちが大事にしてきた部分を手放したら、3倍も4倍もしっぺ返しをくらうんだなと感じました」。東北王者を手にした要因だった投手力や守備力を、大舞台で発揮できなかった。 投げては先発左腕の大嶋哲平(2年)が2回6失点。優勝した東北大会は4戦計30回1/3を投げて5個だった四死球を1、2回ともに出し、直後の打者に適時打を浴びた。守備では2失策に加え、記録上は安打も打球をはじいたりと、東北大会は準々決勝以降の3試合無失策の堅守を出せず。「守備が綻んだらもう打開策がない」と指揮官。2回にチーム初安打となる中前打を放った4番・中堅の竹内啓汰主将(2年)も「技術面で崩れたらこういう試合になると感じた」と唇をかんだ。 それでも「(三振が2つも)空振り三振はないし、きりきり舞いになることはなかった」(斎藤監督)と、やってきたことを出せた部分もあると評価。この時期に全国トップ級の実力を体感したことで、目指すべきレベルも明確になった。「力の差をはっきり植え付けられたのは収穫」と指揮官が話せば、竹内主将も「チームで戦う部分を重要視していきたい」ときっぱり。屈辱的な大敗を糧に、来春の聖地で白星をつかむ。(有吉 広紀)
報知新聞社