樋口恵子 怪我に病気<不機嫌のタネ>ばかりの高齢期を上機嫌に生きるには…「楽しく」は難しくとも「楽しげに」なら誰でもできる
◆笑いヨガ そういえば「笑いヨガ」なるものもあるそうですね。ハハハハハと大きな声を出して笑い、呼吸法と組み合わせることで、心身の健康を増進させるとか。 血液の循環もよくなるし、横隔膜を使い筋力も養われるので、病院や高齢者施設で取り入れているところもあるそうです。 みんなで「笑いヨガ」をやっているうちに、本当に楽しい気分になってくると聞いたことがあります。 ちなみに私は、ちょっと落ち込むことがあっても、わが家の猫たちを撫でていると笑顔になります。 文字通り猫撫で声で「なんでそんなにかわいいのぉ~?」「いい子ねぇ。だ~い好き」などとおバカなことを言っている自分に気づき、ついひとりで、くくくっと笑ってしまうことも。 私にとっては猫の存在も、「楽しげに生きる」に役立っているようです。
◆魔法の言葉 皆さんも楽しげにしていると、本当に楽しい気持ちになってきますよ。 しかもお金は1円もかからないのですから、断然お得! “老い”の季節に福を呼び込むための極意かもしれません。 さらにヒグチさん、行き詰まったときは、「まっ、いろいろあらァな」と声に出します。「いろいろあらァな」は“魔法の言葉”。 自分に言い聞かせていると、なにがあってもあまり悲観的になったり落ち込んだりせず、楽天的でいられます。 楽天的でいるクセがつくと、生きるのが楽になるし、日々「楽しげに」なりますよ。 年齢を重ねていくにつれ、健康面や経済面など、不安も多くなるでしょう。だからこそ、「楽しげに生きること」をどうか忘れずに! ※本稿は、『老いの上機嫌-90代! 笑う門には福来る』(中央公論新社)の一部を再編集したものです。
樋口恵子
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