牛が人口の8倍 酪農の町からセンバツ射止めた別海「地域に恩返し」
3月18日開幕の第96回選抜高校野球大会に出場する32校が26日、決まった。 21世紀枠で初の甲子園出場を決めた別海(べつかい)(北海道)。牛の数が人口(約1万4000人)の8倍もいる酪農郷・別海町にある同校は、数年前までは甲子園を目指せる状態ではなかった。 【写真特集】センバツ出場の知らせを受け喜ぶ選手たち 島影隆啓(たかひろ)監督(41)が外部指導者に就任した2016年当時、部員は4人で「廃部寸前」だった。慢性的な部員不足の中、小中学生対象の野球教室を通じて後進を育成し、野球経験のない生徒も勧誘した。選手16人で臨んだ昨秋の道大会で初の4強入り。快進撃と、そこに至る過程が高く評価され、センバツ出場を射止めた。 同町は北海道の東端に近く、秋から冬は午後4時には宵闇が迫る。グラウンドの照明はホームベース付近しか届かず、室内練習場は今月6日にできたばかり。それまでは特設の農業用ハウスで練習に打ち込んできた。中道航太郎主将(2年)は「21世紀枠に選出されたのは地域の皆さんの応援のお陰。支えてくれた人たちに結果で恩返しができるよう頑張っていきたい」と喜びをかみしめた。【本間浩昭】