自民党は変われたのか?政治記者と振り返る2024年の選挙
岸田総理の不出馬で自民党は変われたのか!?
MC伊藤「前半の記憶が遠い昔になっているかと思いますが、そもそも岸田文雄総理が総裁選不出馬というのも、国政にとっても大きなトピックでした」 2023年の年末に発覚した政治資金収支報告書の不記載問題がずっと尾を引き、現職総理の不出馬につながりました。 この件について水内氏は、当初、自民党の人も裏金問題を軽く見すぎていたと語ります。 水内氏の周りのメディア側の人も途中までは「大した問題ではない」という認識の人も結構いたそうです。 しかし、政治家の訳が分からないお金の使い方に対して国民が感じる怒りや政治に対する不信感が想像以上に強く、今回の衆院選の自公過半数割れの結果にまで繋がったといえます。 MC伊藤「現職総理が次の総裁選に出ずに、若手も含めて総裁選を行うことで、党は刷新できたのでしょうか?」 林氏は、総裁選の動きの中で、派閥を解消し、同じ派閥からも複数の候補者が出る状況が作り出されたところまでは良かったと分析します。 しかし、決選投票を勝ちぬくプロセスで、麻生太郎氏、岸田文雄氏、菅義偉氏などのキングメーカー的な人たちの数合わせで石破氏が選出されたため、数の論理に先祖がえりをする結果に。 林氏「数の論理から最も遠い所にいたはずの石破さん。まさに遠い所にいてほしいと国民世論から期待された石破さんが、この数の論理に縛られる形で、言ってたことが変わってしまったり、予算委員会で本当の論戦をせずに、元々の小泉シナリオに乗っかって解散してしまったりというところが、結果として衆議院選の大敗を招いた」 林氏「自民党自体が本当に変われたのかというのは、実はこの1年見てもよくまだわからないという状況なんだと思ってますね」
自民党と立憲民主党に残された課題とは
MC伊藤「先日閉会した臨時国会のメイントピックが103万円の壁であり、政治改革、政治とカネの問題でした」 水内氏は「産経新聞の社説と自分の考えが違うと怒られちゃうかもしれないですけどあえて言う」と前置きをした上で「自民党は選挙結果を深刻に受け止めてないんじゃないかと思う」と指摘します。 今、国民は物価高で苦しみ、手取りを増やすという政策に反応した結果、衆院選で国民民主党が躍進。 一方、自民党の宮澤洋一税調会長は、国民民主党との税の議論で「グリーンはどこでしょうか」と発言していました。 水内氏「まだ横綱相撲をしているような感じがして。あんな対応を取ればとるほど、自民党の支持率が日を追うごとに下がっていくんじゃないかと思う」 最終的に今回の臨時国会では、国民民主党が主張する年収の壁の103万円から178万円へ引き上げるという主張は完全には通らず、引き続き協議をすることになりました。 これは、自民党や国民民主党にとってマイナスとなる結果なのでしょうか? 12月の政党支持率の世論調査では、国民民主党が立憲民主党を上回る結果となりました。 この結果から「国民民主党は損してない」と推察できます。 一方、「自民党も実は損はしてない」と林氏。 少数与党の自民党は、国民民主党を繋ぎとめる必要があるため税の協議を続け、178万円に近づけながら「俺たち頑張ったから、予算通してね」としたいのではと推察します。 103万円の壁に関する自民党と国民民主党の協議を「切った張ったをしている歌舞伎だ」という人も永田町ではいるそうです。 「両方とも損はしていないと思う」と林氏はまとめました。 MC伊藤「野党第1党であり、予算委員長のポストも担っていた立憲民主党の存在感はいかがでしたでしょうか?」 水内氏「少なくとも年内の間は、ちょっと存在感はなかったなという感じ」 野田氏は、政権にたどりつくまでのファーストステップだと考えているのではないかと水内氏は推察。 一方、国民から見ると「立憲民主党は何をする政党なのだろう?」という印象があり、政策的な部分も伝わってこないので「来年の特に参院選に向けては大きな課題がある」と語りました。 林氏も水内氏の意見に同意し「自民党が自分探しをしているのと同時に、立憲民主党もまだ自分探しをしていると思う」と分析。(立憲民主党は)何をしたい政党なのか、政権を取ったら何をするということを言語化して国民に分かりやすく伝える作業が必要だと指摘しました。 MC伊藤「2024年を振り返る1回目でした」 水内氏「自分自身を恥じる1年でした……」 林氏「そうですね。これを当てた人はいないし、当てられるわけがないかも……」