週末は科学を楽しみ、語り合おう サイエンスアゴラ2023実地開催
科学技術と社会をつなぐ国内最大級のイベント「サイエンスアゴラ2023」が18、19の両日、東京都江東区青海(あおみ)のテレコムセンタービルで実地開催される。主催は科学技術振興機構(JST)。先月26~28日のオンライン開催に続くもので、17日夜には「前夜祭」として、注目点をオンラインで紹介する。
サイエンスアゴラは、未来社会のあり方を市民や科学者、政策立案者らが共に考え、知を紡ぐイベントとして2006年から開催している。今年も対話を重視し、未来の科学技術を身近に感じる企画を幅広く公募し、オンラインを含め約150企画が決まった。年代を問わず楽しめるものを目指し、分野は自然科学のみならず人文・社会科学にもまたがる。 実地開催では、人々のさまざまな活動と科学技術の関係を深掘りするセッション、ゲームを通じて科学技術への興味を深めるワークショップ、学びにつながる体験ブースなど、多彩な企画が盛り込まれる。一部の実費負担を除き参加は無料。
例年、青海で開催してきたが、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大を受け2020、21年はオンライン形式とした。昨年は一部の実地開催が復活。今年も企画に応じ、オンラインと実地を使い分けての開催としている。実地企画では対話する体験を重視するため、一部を除き配信はしないという。オンラインで実施済みの22企画の大半は、サイエンスアゴラ2023の特設サイトで再生できる。
今年は、来場者がより楽しんで回遊できるよう、興味や関心の切り口に応じて企画を価値づけ、分類する「キュレーション」をし、会場内の配置などに生かす。科学コミュニケーション分野で活躍する元日本テレビアナウンサーで同志社大学助教の桝太一氏ら、有識者10人で構成する「サイエンスアゴラ2023推進委員会」(委員長=塩崎正晴JST理事)がキュレーションを進め、注目企画も選出した。
推進委員会はキュレーションにあたり、小中学生が関心事を具体的な学びへとつなげるための書籍「世界が広がる学問図鑑」=宮野公樹京都大学准教授監修、Gakken(学研)発行=を基礎とした。これにより来場者は自然、社会、スポーツや芸術、レジャーやエンターテインメント、社会課題の5つの「気になる」トピックを手がかりに、興味や関心を深められるという。 会場で特別な体験ができる企画を、事前登録制で予定(一部は既に満席)。子供の興味を引き出す教育に関する企画、超小型月面車や小型ドローンの操縦体験、ゲノム(全遺伝情報)編集魚の試食などが含まれる。