ウクライナ機械化旅団が撤退 東部ブフレダル攻防戦の末
ブフレダル、ウクライナ、10月3日 (AP) ― 2年を超える激戦の末、ウクライナ軍は東部ドネツク州の戦術的に重要な丘の上に位置する最前線の町ブフレダルから撤退する。ウクライナ軍当局が10月2日、明らかにした。 ブフレダルからの撤退が、対ロシア戦争の流れが変わるとは思えないが、この敗北は、キエフの立場が悪化していることを明確にしている。軍事関係者やアナリストによれば、ブフレダルからの撤退は、西側諸国が断固とした超えてはならない一線を設定したことが一因だという。 ブフレダルは、ウクライナ軍が死力を尽くして戦った末にロシア軍の手に落ちた。 ドネツク州を含む東部戦線を指揮下に置くウクライナ軍第72独立機械化旅団は、テレグラムに投降した声明の中で、「兵力と装備を守るため」にブフレダルから部隊を撤退させると述べている。 2つの主要道路の合流点に位置するブフレダルの戦術的意義は2つある。 高地であることに加えて、鉄道路線への近さは兵站線の防衛が容易になる。さらに、ウクライナ軍と南に延びる補給路を攻撃するための有利な位置を確保することになる。 2年におよぶブフレダル攻略失敗を経て、ロシア軍は今年になって戦術の転換を図った。 優れた電子戦能力とオートバイ、大砲、ドローン、空中滑空弾を駆使して、北南両側面から高度な攻撃を開始した。 ロシア軍は1日平均120発の滑空爆弾による砲撃を行った。一カ月で3600発だ。ソ連時代の砲弾に航法技術を取り入れた滑空爆弾だ。 ブフレダールの次にロシア軍が目指すのは、30キロ北に位置する戦略的な物流拠点ポクロフスクだ。ここが落ちると、東部戦線でのウクライナ軍の防衛体制が極めて難しくなる。 (日本語翻訳・編集 アフロ)