8月27日から世界選手権が開催! 今から知っておきたい!! 2028年ロス五輪の新種目「フラッグフットボール」ってなんだ?
2028年ロサンゼルス五輪の新種目は「フラッグフットボール」だ。これは、どんなスポーツなのか? どんな魅力があるのか? フラッグに詳しい専門家とふたりの日本代表選手に語ってもらった。今から注目しておけば、4年後は"フラッグ通"になれるはずだ! 【写真】フラッグフットボールの試合の様子ほか * * * ■アメフトから派生し、パス攻撃を重視した競技 パリ五輪の新種目「ブレイキン」では、日本の湯浅亜実選手が金メダルを獲得して世界中から注目された。 そして、4年後のロス五輪では「フラッグフットボール」(以下、フラッグ)が新種目として採用され、世界中から関心を集めることになる。 では、フラッグとはどんなスポーツなのか。日本アメリカンフットボール(以下、アメフト)協会オリンピック準備委員会副委員長の藪田 学氏に聞いた。 ――フラッグはいつ頃生まれたスポーツなんですか? 藪田 ハッキリとはわかっていませんが、第2次世界大戦中にアメリカ軍の兵士たちが、娯楽としてアメフトを始めたことが発祥といわれています。アメフトはタックルなどの激しいぶつかり合いがありますが、ぶつかると兵士がケガをする可能性があります。 そこで、タックルなど体の接触がないアメフトを考え出しました。それがフラッグです。ですから、フラッグはアメフトからの派生スポーツといっていいでしょう。 ――体の接触がないということは、どうやって相手の攻撃を止めるんですか? 藪田 腰の両脇に「フラッグ」と呼ばれるヒラヒラしたベルトを着けており、それを引き抜かれるとその時点で攻撃をストップしなければなりません。なお、攻撃側も守備側も相手の体に接触すると反則になります。 ですから、攻撃側は守備側の選手に囲まれたら、そこで止まらなくてはなりません。ちなみに、体の接触がないのでアメフトのようにヘルメットやショルダーパッドなどの防具を着けません。 ――それ以外にアメフトとの違いはありますか? 藪田 ルール的なことでは、まず人数が違います。アメフトは11人対11人でやりますが、フラッグは5人対5人です。それから、人数に合わせてフィールドもアメフトの約4分の1です。試合時間もアメフトは15分クオーターの合計60分ですが、フラッグは20分ハーフの40分です。 アメフトは4回の攻撃で10ヤード(約9.1m)進むと新たな攻撃権を得られるので、エンドゾーン(得点ゾーン)まで細かく攻撃を進めることができます。 一方、フラッグは、4回の攻撃で敵陣に入れなければ攻守が交代し、敵陣に入れた場合は、さらに4回の攻撃でエンドゾーンまでボールを運ばなければなりません。そのため、フラッグはひとつのプレーで距離を稼げる作戦が重要です。 前方へのパスはアメフトもフラッグも1回しかできませんが、フラッグはアメフトのパス攻撃を重視したルール作りになっているので、パスを投げる人と受ける人のスキルが高ければ、点がポンポン入ります。 もともと攻撃側は自分たちがやるプレーがわかっているけれども、守備側はそのリアクションになるので、攻撃側の優位性がさらに高まっているというわけです。 たとえるならフットサルやバスケットボールの3×3のようにとてもテンポが速い競技です。