8月27日から世界選手権が開催! 今から知っておきたい!! 2028年ロス五輪の新種目「フラッグフットボール」ってなんだ?
――パスを通すための作戦とかもあるんですか? 藪田 フラッグは作戦がとても重要です。「チェスマッチ」と呼ばれるような攻撃と守備の駆け引きが試合の醍醐味かもしれません。 例えば、足の速い選手がエンドゾーンに向かって真っすぐ走るばかりではなく、途中で味方にパスをしたり、パスをするふりをして相手をだましたりもします。そうした作戦を100個以上持っているチームもあります。 選手は作戦リストを記載したリストバンドを腕に着けていて、攻撃のたびにみんなで次の作戦を確認します。この作戦タイム(ハドル)は25秒以内です。 特に国際大会になると日本人選手は、欧米の国の選手と体格の差が出てくるので、それを補うための作戦が必要になってきます。 ――作戦以外に、例えばフラッグを取られないテクニックとかもあるんですか? 藪田 これはアメフトにはないフラッグ独特の動きですが、走っていて急に腰を沈めて前に進む「ディップ」というテクニックがあります。また、腰をローリングして相手をかわすという方法もあります。フラッグを取ろうとする相手の手を払いのけると反則になるので、こうした動きをするわけです。 それから、相手にフラッグを取られそうになったときに持っているボールを手前に大きく差し出す動きをすることがあります。次の攻撃は、フラッグが取られた体の位置からではなく、ボールの位置からスタートするので少しでも前から攻撃しようという意思の表れです。 ――フラッグの最大の魅力はなんですか? 藪田 まず、体の接触がないので女性やお子さんも楽しめるスポーツということです。そして、体の接触がないためにアメフト選手がやっているような迫力あるプレーを自分たちもフィールドで再現できることじゃないでしょうか。 ――ちなみに今、日本の競技人口はどれくらいなのでしょうか。 藪田 残念ながら正確な数は把握していません。大会に参加する選手は3000人ほどですが、今は小学校の授業でも取り入れていたり、小さなクラブチームもあるので、実際はもっと多いと思います。 ――世界だと? 藪田 約2000万人です。特に女性の競技人口が男性の2倍くらいのペースで増えています。 ――世界の中で日本はどれくらいの実力なんですか? 藪田 現在の世界ランキングは、男子が9位で女子が3位です。4年後のロス五輪でメダルを狙える位置にいるので、われわれはそれを目指して取り組んでいます。そして、8月27日から30日までフィンランドで世界選手権が行なわれるので、まずはそこでメダルを目指します。