年内最後の会見 文書問題 斎藤知事「一つ一つ適切に対応」 反省点言及せず
兵庫県の斎藤元彦知事は26日、年内最後の定例会見を開いた。斎藤知事のパワハラ疑惑などを告発する文書を作成し一部報道機関などに配布した元県幹部の男性への対応を発端に、約9カ月にわたり県政の混乱が続いた。斎藤知事は、疑惑告発文書問題の対応について反省点は言及せず、「適切に対応してきた」と強調。県民に対し「心配をおかけしたことは申し訳ない」と陳謝した。 3月27日の定例会見で斎藤知事は、文書について「嘘八百」と断じ男性を「公務員失格」と非難。5月に内部調査の結果、男性を停職処分とした。6月に設置された百条委では、文書に記載された7項目の疑惑に加え、男性を公益通報者保護法の対象としなかった県の対応についても審議が進められ、来年2月をめどに報告書をまとめる。県が設置した弁護士らによる第三者委も今年度中に調査結果を報告する予定だ。 斎藤知事は一連の対応を問題視した県議会からの不信任決議を受け、9月に失職。11月の知事選で再選を果たし2期目がスタートした。就任後、斎藤知事は県職員や県議会などとの信頼関係構築を強調し「丁寧な対話と謙虚な姿勢を胸に刻む」と述べていた。 ただ、同月下旬に男性が公用パソコン内に保存したとされるデータが交流サイト(SNS)上に公開され、県保有情報の漏洩の疑いがあり、県は第三者による調査を行うとしている。県政の混乱は収まる気配をみせない。 この日の会見で、斎藤知事は文書問題について「対応を一つ一つ適切にやってきた」と正当性を改めて強調。知事選での再選を受け「新たな気持ちで知事の仕事をこれからも頑張っていきたい」と述べた。職員とのコミュニケーションについては「風通しのよい職場を作っていく」とし、幹部職員らとミーティングの場などを設けるとした。