慶應志木高校MF有山凜生主将#1「第一に自分で考え、判断することを求められる」【文蹴両道】
慶應志木高校は私学と公立を合わせ、埼玉県の男子校では最も偏差値の高い慶應大学の一貫教育校だ。 【フォトギャラリー】慶應志木 部活動も盛んで11ある運動部の中でもボート部は、県内有数の強豪で全国大会での優勝経験もある。ラグビー部は県内各大会でコンスタントに8強入りしている。 サッカー部は1971年の全国高校選手権予選で準優勝した実績があるが、近年は2015、17年のベスト16が最高成績。今夏は1次予選代表決定戦で敗れた。前チームのMF有山凜生主将(3年)に高校生活を尋ねた。 ――慶應志木を受験したのはなぜですか? まず大学の付属校ということを優先的に考えた末、慶應か早稲田に入りたいと思いました。大学に進んだら慶應の体育会ソッカー部に入るつもりです。 ――それは本格的ですね。中学時代の所属チームは? 東京の久留米FCです。当時のポジションはボランチを担当していました。高校でも去年はボランチでしたが、今年はトップ下でプレーしていました。サッカーを始めたのは小学1年生からです。 ――高校生活は中学時代にイメージしていた通りでしたか? 慶應志木の雰囲気というのは、おおよそ思っていた通りですが、サッカー部は中学でやっていた頃とはかなり違いました。それは第一に自分で考え、判断することを求められるところですね。練習にしても顧問の先生が不在の時などは、キャプテンの自分がどういったメニューにするのかを考え、試合のメンバーを選ぶこともありました。大事なことは4人いる主務で話し合って決めるようにしました。 ――キャプテンの役回りは重くて大変でしたか? そうですね。うちの高校はサッカーをやるために入ってきた人ばかりではないので、そういう人たちをどうやってひとつの方向にまとめていくのかに苦労しました。いろんな考え方を持った人がいるので、そこは神経を使います。各自がそれぞれ意見をぶつけてきますので。 ――いわゆる受験勉強の必要がない進学校ですが、勉強への取り組み方を教えて下さい。 6月と11月と2月の年に3回ある定期試験の2週間前からは、普通の進学校よりも机に向かっていると思います。この定期試験の結果によって慶應大学のどの学部に進めるかが決まるので、どの生徒もここに向けて一生懸命勉強するんです。これに懸けていますから。よその高校はテストよりも受験勉強のほうが大変だと思いますが、うちはそこが決定的に違います。自分たちは定期試験前の勉強がメインで、そこにはかなりの力を注入しているのです。 ――その定期試験前の部活動はどうしたのですか? テスト1週間前から部活動は休みになりますが、テスト前日に試合が組まれる場合は練習もあります。そういったケースでは、少し早めに計画してテスト勉強をスタートさせました。 ――平均的な1日のスケジュールはどんな様子でしたか? 午前6時半に起床し、7時半に家を出て学校に到着するのが8時25分で、8時半から午後3時まで授業があります。3時15分から部活動が始まり、終わるのが5時半から6時くらいです。自主的にベンチプレスを使って筋トレをこなします。7時に学校を出て8時に帰宅。2年生まで9時以降は自由時間でしたが、自分は理系コースを選択したのでほぼ毎週、実験レポートを提出します。それを9時から1~2時間かけて仕上げるので、就寝が11時~11時半といったかんじです。 定期試験が迫ると、午後4時に帰宅してから1時間だけフリータイムに当てます。5時から7時まで勉強と体を動かし、8時から午前1時頃までまた勉強に励みます。 【有山さんの平均的な1日のスケジュール】 06:30 起床 08:30~15:00 授業 15:15~18:00 部活動 20:00 入浴、夕食 21:00~23:00 レポート作成 23:00~23:30 就寝 【定期試験前】 16:00 帰宅 16:00~17:00 自由時間 17:00~19:00 勉強と運動 19:00~20:00 入浴、夕食 20:00~25:00 勉強 (文・写真=河野正)