「うっかり…」ではすまされない!老後の年金が「低年金・無年金」になってしまうケースとは?
「私たちは年金なんて期待できないよ」そんな言葉を発する人が多い若手現役世代。 若い世代だけではなく、皆さんの親世代から年金に対して不安を感じている人は少なくありません。 【年金一覧表】厚生年金・国民年金、いまのシニア世代は毎月いくら位もらってる? 筆者の両親は未だ現役で働いていますが、先日家族旅行の際に「働いているうちはこうやって好きにお金使えるけど、年金生活になったらどうしようね」なんて話をしていました。 今回は、将来頼りにすることとなる国民年金・厚生年金の平均受給額とともに、「低年金」や「無年金」になる理由について詳しく解説していきます。 ※編集部注:外部配信先ではハイパーリンクや図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。
日本の公的年金の仕組みをおさらい
実は年金制度についてきちんと理解できていない、という方は少なくないようです。 まずは日本の公的年金の仕組みについておさらいしておきましょう。 日本の公的年金は「厚生年金」と「国民年金」の2階建て構造となっています。 ●国民年金 1階部分にあたる「国民年金」は、原則日本に住む20歳から60歳未満の方が加入対象で、保険料は一律となっています。 40年間未納なく保険料を納めていれば満額を受給することができます。 ●厚生年金 一方、2階部分にあたる「厚生年金」は、主に会社員や公務員などが加入対象で、国民年金に上乗せする形で加入します。 厚生年金の保険料は毎月の給与や賞与などの報酬によって決まる「報酬比例制」です。 加入期間が同じであっても年収によって、将来受け取れる年金額に個人差が生じやすいのが厚生年金の特徴です。 なお、厚生年金に加入する方の国民年金保険料は、厚生年金制度によって負担されるため、別途、個人で納める必要はありません。 さて、公的年金制度の仕組みを理解したところで、実際に年金はどのくらい支給されているのかを次章で確認していきましょう。
公的年金「厚生年金・国民年金」平均月額はいくら?
本章では、厚生労働省が発表した最新データから厚生年金・国民年金の平均月額および年金月額階級別の受給者数について紹介していきます。 ●厚生年金の平均月額・年金月額階級別の受給者数 厚生労働省年金局の「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、厚生年金の平均月額と年金月額階級別の受給者数は下記のとおりです(国民年金を含む)。 【厚生年金の平均月額】 ・男女全体平均月額:14万3973円 ・男性平均月額:16万3875円 ・女性平均月額:10万4878円 【厚生年金の年金月額階級別の受給者数】 ・1万円未満:6万1358人 ・1万円以上~2万円未満:1万5728人 ・2万円以上~3万円未満:5万4921人 ・3万円以上~4万円未満:9万5172人 ・4万円以上~5万円未満:10万2402人 ・5万円以上~6万円未満:15万2773人 ・6万円以上~7万円未満:41万1749人 ・7万円以上~8万円未満:68万7473人 ・8万円以上~9万円未満:92万8511人 ・9万円以上~10万円未満:112万3972人 ・10万円以上~11万円未満:112万7493人 ・11万円以上~12万円未満:103万4254人 ・12万円以上~13万円未満:94万5662人 ・13万円以上~14万円未満:92万5503人 ・14万円以上~15万円未満:95万3156人 ・15万円以上~16万円未満:99万4044人 ・16万円以上~17万円未満:104万730人 ・17万円以上~18万円未満:105万8410人 ・18万円以上~19万円未満:101万554人 ・19万円以上~20万円未満:90万9998人 ・20万円以上~21万円未満:75万9086人 ・21万円以上~22万円未満:56万9206人 ・22万円以上~23万円未満:38万3582人 ・23万円以上~24万円未満:25万3529人 ・24万円以上~25万円未満:16万6281人 ・25万円以上~26万円未満:10万2291人 ・26万円以上~27万円未満:5万9766人 ・27万円以上~28万円未満:3万3463人 ・28万円以上~29万円未満:1万5793人 ・29万円以上~30万円未満:7351人 ・30万円以上~:1万2490人 ※国民年金部分を含む 厚生年金は国民年金に上乗せする形で受給するため、一般的には国民年金よりも年金額が多い傾向にあります。 しかし、厚生年金は現役時代の年収や加入期間によって受給額が変わるため、全員がこの通りとはいかないのです。 ●国民年金の平均月額・年金月額階級別の受給者数 厚生労働省年金局の「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、国民年金の平均月額と年金月額階級別の受給者数は下記のとおりです。 【国民年金の平均月額】 ・男女全体平均月額:5万6316円 ・男性平均月額:5万8798円 ・女性平均月額:5万4426円 【国民年金の年金月額階級別の受給者数】 ・1万円未満:6万5660人 ・1万円以上~2万円未満:27万4330人 ・2万円以上~3万円未満:88万1065人 ・3万円以上~4万円未満:266万1520人 ・4万円以上~5万円未満:465万5774人 ・5万円以上~6万円未満:824万6178人 ・6万円以上~7万円未満:1484万7491人 ・7万円以上~:178万3609人 国民年金は、保険料が一律であることから受け取れる受給額に個人差が少なく、男女ともにボリュームゾーンは6~7万となっています。 2024年度における国民年金の満額は月額6万8000円、2023年度は月額6万6250円でしたので、満額かそれに近い水準の年金を受給する方が多いことが分かります。