「うっかり…」ではすまされない!老後の年金が「低年金・無年金」になってしまうケースとは?
「低年金・無年金」になる2つのケースとは
前章では、厚生年金と国民年金の平均月額について見ていきました。 年金月額階級別の受給者数をみると平均月額を大きく下回る方も多く存在していましたね。 1万円未満という方も、決して少なくありませんでした。 老後の大切な収入源となる年金収入が著しく少ない理由として、国民年金であれば保険料の未納期間が多いことがあげられるでしょう。 厚生年金においては、加入期間が短いことや現役時代の年収が低いことが原因かもしれません。 その他、低年金・無年金になる理由として考えられる2つのケースをご紹介しておきましょう。 ●受給資格期間を満たしていない 年金を受給するには「受給資格期間」を満たす必要があります。 受給資格期間は「保険料納付済期間」と「保険料免除期間」の合計が10年以上です。 未納期間は受給資格期間に含まれません。 そのため、経済的な理由等により年金保険料を納付できない場合には、免除申請をしましょう。 免除申請が承認されたら、免除期間中は保険料を納付しなくても受給資格期間に含まれます。 ご自身の保険料納付状況は、ねんきん定期便やねんきんネットで確認できますので、現況を確認しておきましょう。 ●年金の不整合記録問題 年金の不整合記録問題が起こっている場合も、低年金・無年金になる可能性があるため注意が必要です。 年金の不整合記録問題とは、国民年金の第3号被保険者が第1号被保険者または第2号被保険者になる際に届出が行われないことにより、保険料が未納となる事態を指します。 前述したように、日本の公的年金は2階建て構造になっており、1階部分は国民年金加入者の「第1号被保険者~第3号被保険者」に分類されます。 上の図を見ていただくと分かりやすいでしょう。 「第1号被保険者~第3号被保険者」のうち「第3号被保険者」は、公務員や会社員などに扶養されている配偶者を指し、個人で年金保険料を納める必要はありません。 しかし、「第3号被保険者」に該当する配偶者が、パートや正社員などで扶養から外れて働くようになったり、離婚といった理由で第3号被保険者でなくなったりした場合は、「第1号~2号被保険者」となるため、年金保険料を納める必要が出てきます。 この時に、第3号被保険者から1号または2号被保険者への変更手続きが漏れると、年金保険料の未納期間が発生してしまいます。 未納期間の発生により低年金・無年金になる可能性がありますので、心当たりがある方、不安な方は早めに年金事務所に相談してみましょう。