「友好関係さらに深まる機会に」天皇陛下、ご訪英前の記者会見全文
「愛子については、社会人としての生活を通じて知識や経験を広げていく中で、将来の公務の方向性などについても考えていくことになると思います。2月には、ケニアの大統領御夫妻をお迎えしての宮中午餐(さん)に出席しました。今後は、公的にも私的にも、海外の方々と接する機会が増えてくると思います。そのような機会を通じて視野を広げるとともに、国際親善に努めていくことができるよう願っております」
--今回のご訪英を通じ、日本の皇室、英国の王室が21世紀のこの時代にふさわしい、そのあるべき姿についてお互いに学び合うことがあるとしたら、それはどのようなことでしょうか
「皇室の在り方や活動の基本は、以前からお話ししているとおり、国民の幸せを願って、国民と苦楽を共にすることだと思います。また、時代の移り変わりや社会の変化に応じて、状況に対応した務めを果たしていくことが大切であると考えています」
「英国の王室も同様に、英国の、その時々の状況に応じた活動をされているものと理解しております。更に言えば、それは、英国という国がこれまで歩んできた歴史や、培ってきた文化や社会に根差したものではないかと思います。英国に限らず、それぞれの国の王室の在り方を知る上では、その国の歴史や文化についての理解も大切なのではないかと思います」
「今後も、皇室と英国の王室が世代を超えて交流を積み重ね、友好親善を深めていくことを願っております」
--現在行われている安定的な皇位継承に向けた検討に関して、どのようなお考えをお持ちでしょうか。権能を行使しない形で、皇族の意見を検討に反映させるには、どのような方法があるとお考えでしょうか
「現在、男性皇族の数が減り、高齢化が進んでいること、女性皇族は結婚により皇籍を離脱すること、といった事情により、公的活動を担うことができる皇族は、以前に比べ、減少してきています。これは皇室の将来とも関係する問題ですが、制度に関わる事項について、私から言及することは控えたいと思います」