「友好関係さらに深まる機会に」天皇陛下、ご訪英前の記者会見全文
「私たちにとって、英国は、それぞれ留学生活を送った思い出の地であることもあり、今回の訪問を楽しみにしています。雅子も、英国より御招待いただいたことを有り難く思っており、オックスフォード大学で過ごした2年間を懐かしく思い出しながら、今回の訪問を楽しみにするとともに、日英の交流の歴史に思いをはせつつ、これまで築かれてきた日英間の友好関係が更に深まっていくことを願っています」
「また、愛子も、高校生の時にイートン校に短期留学した時のことを懐かしく思っており、その時の滞在中の思い出などについて家族で話をすることもあります」
--両陛下はかつてオックスフォード大学に留学されていました。イギリスでの時間はどのようなものだったか、記憶に残るエピソードや、イギリス王室の方々との交流、思い出についてお聞かせ下さい。癌を公表したチャールズ国王やキャサリン妃への思いも教えて下さい
「私がオックスフォードに滞在したのは、昭和58年6月から60年10月に至る2年4か月間でした。その間のことについては、私の著書である『テムズとともに』にも書きましたように、一口では表現できない数々の経験を積むことができました」
「オックスフォードでは、様々な人と出会え、また、研究という一つの柱を通じて数々の貴重な経験をし、研究者であればこそ味わえる感動を覚える日々でした」
「私の研究テーマは、18世紀におけるテムズ川の水運の歴史についてでした。今でも、留学から帰国した後にまとめた研究論文を読み直すと、テムズと共に過ごした日々の記憶がありありと甦(よみがえ)ってきます。テムズ関係の史料集めに奔走したこと、ピーター・マサイアス、ロジャー・ハイフィールド両先生を始めとする多くの方々の御指導や御協力を頂いたこと、研究で疲れた私を癒やしてくれたテムズの緩やかな流れと周囲の美しい景観、テムズを見ながら川沿いをジョギングした日々など、数え上げたらきりがありません」