「働き方改革」足踏みする企業まだ多く 長野でシンポ
親の介護で会社辞めそうになった体験談
パネルディスカッションでは、肉親の介護で一時は会社を辞めることも考えた中年男性が、介護休暇や時短措置など会社の制度をフル活用して乗り越えてきた体験を報告。「職場の上司と同僚の理解と励ましがなければここまで頑張れなかった」と話しました。 介護を支える制度の活用ができたケースですが、その半面「制度の利用により収入が減るなどの影響もあり、家計への影響を考えて制度を利用しない人もいる」。職場を失わないために「自己都合休職」の制度で介護を続けながら1年ごとに休職を更新していく方法もあるとし、「こうした制度の広がりで多くの介護者が救われることを願っています」と訴えていました。 職場に託児所を設けて女性の離職に歯止めがかかった例や、残業禁止で地域の活動に参加する機会が増えたといった経験談も紹介。企業の人事担当者で、今は地域に多くの友人もでき家庭に笑顔も増えたという中年男性は「会社では残業禁止の日に社長や役員が全社を巡回して徹底している。働き方改革はトップの社長の方針が重要。ただし掛け声だけや精神論ではだめ。現場の意見を聴いた上で、実現のための仕組みやツールを用意してほしい」と話していました。
---------------------------------- ■高越良一(たかごし・りょういち) 信濃毎日新聞記者、長野市民新聞編集者からライター。この間2年地元TVでニュース解説