J1札幌はC大阪と手痛い引き分け…最短で次節9日にもJ2降格が決定
◆明治安田J1リーグ第35節 北海道コンサドーレ札幌1―1C大阪(3日、プレド) 北海道コンサドーレ札幌が、J1残留が遠のく、手痛い引き分けを喫した。ホーム・C大阪戦は前半9分、MF青木亮太(28)の6試合ぶりゴールで先制。しかし相手ペースとなった後半40分に追い付かれ、1―1のドローに終わった。勝ち点1こそ積み上げたが、残り3戦で残留圏の17位柏とは勝ち点6差。最短で次節9日のアウェー・湘南戦で、9年ぶりのJ2行きが決まる窮地に追い込まれた。 ドロー決着を告げる主審の笛が鳴った瞬間、2万6500人を超える観衆が詰めかけたプレミストドームが、静寂に包まれた。勝ち点1こそ積み上げたが、残留のためには勝利が必要だった戦い。一戦の重みを誰もが分かっていたからこそ、チームだけでなく、会場全体がその結果に落胆した。ミハイロ・ペトロヴィッチ監督(67)は「今のこの状況では、1ポイントは足りないし、悔しい結果」。険しい表情でそう漏らした。 前半9分、相手に当たったこぼれ球を拾った青木が、先制点を挙げた。「前半はいい形でできていた」と振り返った青木の感触通り、主導権を握って追加点の好機を作り、45分間を終えた。しかし後半に入り、C大阪が選手の配置を変えつつ攻勢に出ると状況は一変。押し込まれる展開となり、40分に追い付かれた。青木は「蹴ることが増えた時、押し込まれるイメージがある。つなぐサッカーをやっているのだから、前半のサッカーを自信を持ってやった方が良かった」と今季の低迷の一因となった、終盤に失速し、戦い方にぶれが出てくる”弱点“を反省した。 残留圏の17位柏との勝ち点差は1縮めて6としたが、後のない状況は変わらない。残り3戦を全勝しても勝ち点は42。3日時点で勝ち点43の15位横浜FMより上位のチームを超える可能性はなくなった。加えて次節9日は、勝ち点40で16位の新潟と柏の直接対決が控える。同日に札幌が湘南に敗れ、柏が引き分け以上なら16年以来のJ2降格が決まる。青木は「勝ちを積み上げるしかないので。切り替えて、前半の戦いを90分間続けられるように準備していきたい」と言った。過ちを繰り返さず、奇跡を信じて必死に戦うしか、札幌が生き残る道はない。(砂田 秀人) ***** 〇…C大阪戦前、札幌OBと札幌U―15による前座試合が行われた。OBチームの一員には、2017~18年8月まで所属し、今年1月4日に死去した横山知伸氏(享年38)が名を連ねた。選手間の「一緒に戦いたい」という意向から、札幌時代に着けていた背番号2のユニホームがベンチに掲げられた。1年半余りをともに過ごした小野伸二氏(45)は「このクラブにもそうだが、彼がJリーグに残したものは大きかった。いつまでも僕らの心の中にいる」と思いを口にした。試合は1―3でOBチームが敗れた。
報知新聞社