34歳、ゲレンデを買う──タイヤでクルマが変わる!?(Vol.7)
明確な違い
というわけで、PROXES Sport 2に交換。早速運転すると、前タイヤとの差に歴然。 まずロードノイズが格段に低下した。プレスリリースでは静粛性の高さを謳っていないものの、とにかく車内が静かになった。タイヤを履き替えるとここまで静かになるのか……と、感動。 さらに、乗り心地も大幅に向上。ザラつきや不快な振動が見事に解消され、快適性が増した。 プレミアムスポーツタイヤだけに、気になるのはブレーキ性能とハンドリング性能だが、これは期待以上だった。 止まる・曲がるが常に安定しているので、2530kgの車両重量をそれほど意識させない。たとえば首都高速道路のコーナリングでは、路面をしっかりと掴んでいるのがよくわかる。「非対称のトレッドパターンとコンパウンドを採用したことで機能の分担を図り、ブレーキ性能とハンドリング性能を効果的に向上させた」というTOYO TIRESの弁も納得だ。 ブレーキ性能については、急制動の経験がまだないためなんとも言えないものの、これまでのタイヤより制動距離は短くなったように思う。PROXES Sport 2のウェブサイトには、前モデル「PROXES Sport」とのブレーキ比較を掲載しているが、ウェットブレーキでは16%短縮、ドライブレーキでは4%短縮したという。あながち、その結果は間違いではないように思う。ましてやボロボロの前タイヤとの比較だったら16%では済まないはず、だ。 タイヤを交換するだけで、こんなにも性能が変わるとは驚きだ。もっとも、残り溝の深さ1.7mmまで放置するのは危険。これほどの“ボロタイヤ”と比べる機会は皆無だから、貴重な経験となった。
写真・安井宏充(Weekend.) 文と編集・稲垣邦康(GQ)